入試は2月だから、まだ余裕がある、なんて思っていたら大間違い。
賢い受験生は11月頃から行われる推薦入試で、早々と大学入学を決めているぞ。
いまや、ほとんどの大学で公募制推薦やAO入試が行われている。
秋を第一関門としてしっかりと対策を練るのが、今や受験生の常識なのだ。
ここでは、推薦入試突破のための基礎知識とヒントを紹介しよう。
推薦入試の基礎知識
まず、これだけ知っておこう
推薦入試にはいくつか種類がある!
一口に「推薦入試」といっても、いくつかの種類があります。
まず、本来的な意味での“推薦”入試といえるのが「指定校推薦」。大学・短大が、過去の入学実績などをもとに「この高校からは何人」というように推薦枠を決め、
高校に生徒を推薦してもらうようにお願いします。高校は成績や希望などをもとに、生徒を選び、入学させるという仕組みです。自分の所属する高校に志望校の推薦枠があるか、
担任や進路指導の先生に確認してみましょう。推薦基準を満たしていれば、ほぼ無試験で入学することができます。ただし、推薦を受けたら、入学辞退はできません。
高校内での競争率が激しい場合もありますが、条件さえ整えばもっとも「オイシイ」入学制度といえるでしょう。
普通、「推薦入試対策」といった場合の推薦入試は「公募制推薦」のことを言います。とくに高校ごとの推薦枠が決まっているわけではなく、
募集人員の枠内で、出願者に対して自由に選抜が行われます。いくつかの出願基準が示されていますが、中にはほとんど一般入試と変わらないものもあります。
短期大学では、一般入試よりも推薦入試の枠の方が多く設定されているケースが多くなっています。4年制大学でも定員の半分近くを公募制推薦にあてている大学もあります。
その他、「自己推薦」という、文字通り「自分で自分を推薦する」入試もあります。高校長の推薦状などが不要で、自らの長所や特技、アピールポイントなどを示して出願し、選抜してもらうという入学制度です。
「AO入試」は、本来は推薦、一般にかわる第三の新たな入学制度なのですが、実態として「自己推薦」に近い形で行われていることが多いようです。
書類、面接(数度にわたることも多い)などを材料に、志願者を総合的な観点から審査する制度です。
推薦入試と一般入試、ココが違う!
現状、公募制推薦は、一般入試に限りなく近づきつつあります。しかし、その大きな違いは「実施時期」「出願基準(評定平均値等)」「高校長の推薦の有無」です。以前は、推薦入試の本来の主旨から、「他校との併願不可」としている大学も多かったのですが、最近では少数派です。
実施時期は、推薦入試が11月頃から、一般入試は2月頃からになります。「早く入学校を決められる」というのは推薦入試の大きなメリットです。大学側にも、早めに入学者を確保しておきたいという思いがあり、推薦入試に力を入れるところが増えています。
出願基準については、一般入試では高校の卒業(見込み)資格さえあれば自由に受けられますが、推薦入試では、高校での学業成績(評定平均値)の基準等が示され、それに満たない生徒は、特別な事由がない限り出願できません。大学の特色を反映して、英検・TOEFL・TOEICなどの結果に基準を求める推薦入試もあります。
高校長の推薦については、よほど高校で問題を起こしていない限り、心配することはありません。ほとんどの場合は「形だけ」と思っていいでしょう。
選考方法における一般入試と推薦入試の違いは、推薦入試の場合、面接や小論文などが多く取り入れられ、学力試験では比較的基礎力を問われることが多いということです。ただし、競争率の激しい推薦入試では、一般入試並みの学力が要求されるケースもあります。一般入試でも面接や小論文が課されることも多くなっており、両者の差は縮まってきています。
ズバリ! 推薦入試の選考のポイント
各大学が推薦入試を重視する理由は、「学業に意欲をもって取り組むことのできる学生」「特色があり、学内を活気づける学生」を早めに、できるだけ多く確保しておきたいというところにあります。選考のポイントも「基礎的な学力を持っていること」「真面目で前向きに高校生活を送っていること」「自らのアピールポイントがあること」などといえます。原則として、高い学力が持っているにこしたことはありませんが、それよりもバランスのとれた基礎力が重視されます。極端なことをいえば、英語で学年トップクラスの実力を持っていたとしても、数学が底辺近くの成績であれば、推薦入試に合格することは難しいでしょう(英語を重視した推薦入試は別です)。
自己推薦、AO入試はもちろん、通常の公募制推薦でも面接や小論文などで、「自己アピール力」は求められます。ただし、勘違いされることも多いのですが、ここでいう自己アピールというのは、「ユニークな個性の主張」ということではありません。面接、小論文での選考のポイントは、「いかに自分の特性を自己分析でき、それを入学後に活かそうとしているか」という点につきます。
また、受験する大学について、どれだけ知っているか、私立大学の場合、建学の理念や校風・伝統にどれだけ共鳴しているか、という点も問われることがあります。志望校については、オープンキャンパスなどを利用して十分にリサーチしておきましょう。