〈桑沢デザイン研究所〉の歴史と理念
1954年にドイツのバウハウスをモデルとして発足して以来、そのカリキュラムは常に時代を反映してきました。小手先の技ではなく、独創や応用力の源となる「デザインの原動力」を培うため、基礎から総合的に学び、実践を通じて専門的な技術と応用を身につけていく構成となっています。〈桑沢〉の重要なキーワードに「概念砕き」があります。既成概念にとらわれずに対象を把握し、色や形の体系や素材の可能性を探っていくことで、表現や発想の幅を大きく広げるデザインの基礎能力を養っていきます。3万人を超える卒業生は、世界を牽引する多くのデザイナーとして活躍し、その業績は各領域で高く評価されています。
<桑沢>の昼間部は3年制。長い将来を見据えたデザイン基礎体力の強化を大切にしています。
1年次では全員が共通の基礎を学び、眠っている感性を呼び覚まします。2年次からは専門分野に分かれて、それぞれの知識・技術を身につけていきます。そして、3年次にはそれらの応用を積み重ねることで、デザインに必要な観察力・発想力・構築力を豊かに培っていきます。
いまデザイン教育の現場では、即効性だけを重視し、テクニックに力点が置かれています。しかし、いきなり技術を教えることは、デザイナーとしての未来に限界をつくることになりかねません。これからの長い将来へ向けて、デザインの基礎体力を強化することが、今もっとも求められていることだと〈桑沢〉は考えています。
デザインは「人の暮らしを豊かにするため」にあります。時代がどう変わっても、社会に貢献できるデザインの根本的な力を身につけること。これが〈桑沢〉の理念であり、目指している教育です。
桑沢デザイン研究所は2024年創立70周年を迎えました
70周年を記念して一年間を通して連続したイベントをおこないました。
桑沢デザイン研究所が時代に合わせて変化・進化を遂げながらも “デザインという行為の変わらぬ本質”いわば「デザインの原点」に立ち返りながら「未来へ向かっての人間の精神的・物質的両面からの要求に応える人材の育成」の場であることを、人々に広く知ってもらう機会になればと考えます。
70周年ロゴに込めた意味や講演会イベント、記念展示などのご紹介を公式ホームページで掲載しています。⇒https://www.kds.ac.jp/70thproject/
桑沢学園・新教育施設 デザインを探求し、未来のデザインを育む研究所として。
本校舎に加えて、新校舎の運用が2023年4月からはじまりました。
新校舎は、地上4階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、本校から徒歩1分に位置します。
設計者は、夜間部スペースデザインコース卒業生のmoss. 志摩 健さん。
ー デザインを探求し、未来のデザインを育む研究所として。
デザインを学んだ学生たちがいつかまた訪れた時に初心に戻れるような場所になるように。
そんな願いを込めて設計しました。
国際的に権威のあるデザインアワード『iF DESIGN AWARD 2025』のInterior Architecture / Public Interiors部門にて受賞しました。
学びの集大成となる作品を紹介。「卒業生作品展 オンライン展示」
卒業生作品展は、昼間部3年生卒業制作〈ゼミナール〉と夜間部2年生の最終課題作品(選抜)および夜間附帯教育受講生の作品を発表する場として、毎年2月末に開催しています。
来校できなかった方に向けて、WEB上でアーカイブ展示もおこなっています。
卒業学年・修了学年の集大成をご鑑賞ください。⇒https://www.sotsuten-archive.kds.ac.jp/students/
今年のビジュアルは本校卒業生であり非常勤講師の駒形あい先生にデザインしていただきました。駒形先生は昼間部1年生の「基礎デザイン(ファッションデザイン)」を担当しています。