『ズートピア』には、アニメーションとしての楽しさやおもしろさのなかに、性別や年齢、学歴、出身地などの違いから生まれる“偏見”の問題を盛り込みたいと考えていました。だけど説教じみたストーリーや、「こんな世界はいやだ」というマイナスなイメージの作品はつくりたくありません。偏見という問題を現実的に描きながらも、「ズートピアに行ってみたい」と思ってもらえるような映画にする。そこが一番のこだわりであり、苦労した部分でもあります。
それに加え、この物語には事件を捜査するおもしろさもあります。ユーモアや感動だけでなく、事件やミステリー、さらに偏見という問題へのメッセージなど、たくさんの要素を含む素晴らしい作品に仕上がっていますよね。これが実現できたのは、ジャレドさんをはじめとする監督や脚本家の皆さんの才能だと思います。
どの映画でも、最高の作品をつくりあげるまでには、さまざまな挑戦や努力が必要です。もちろん今回も例外ではありません。作品中に64種類の動物が登場しますが、すべて本物に近い毛並みを表現するために、照明など新しいテクノロジーを開発しました。ほかにも、ウサギとゾウが話す場面など、スケールが異なる動物をどういう角度で映すか、という難しさもありました。
よりリアルな世界観を表現するために、何百人というスタッフが試行錯誤しました。それをクラークがまとめてくれたお陰で、僕らは何の心配もせず作品づくりに没頭できたのです。彼のプロデューサーとしての“腕”ですよね。僕たちも同じように時間やまわりのことばかりを気にしていたら、つくりたい作品はできなかったと思います。
ジュディです。僕はプロデューサーとして、初めてのことや、難しいことに挑戦するチームのみんなを活気づけなければいけません。だからジュディのようなポジティブさが必要です。周りから「ウサギに警察官は務まらない」と言われても、その言葉に惑わされず自分の夢を追いかけるジュディ。それと同じように、みんながあきらめそうになったときに、「大丈夫、できる!」「夢を叶えよう!」と盛り上げることが、僕の役目だと思います。
お二人が
映画やアニメーションの
仕事を選んだきっかけは?