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INTERVIEW

高校生へのメッセージ!

Special Interview

今の自分、今の時間を大切に生きる

トッドさんは、いつ頃から映画プロデューサーという仕事に興味を持っていたのでしょうか。

もともと幼いころから映画を観るのが大好きでした。私は10〜12歳の頃に両親が離婚し、辛い経験をしたのですが、そうした時期にいろいろな映画を観て、笑ったり、泣いたり、癒されるだけでなく、さまざまなことを学びました。そこから映像を通して物語を語るおもしろさ、楽しさを感じるようになり、自分で物語を語ってみたくなったのです。

若手の映画作家を指導しているそうですが、若手に学んでほしいのも、自分らしさや自信でしょうか。

アメリカプロデューサー組合と母校のフイルムスクールで若い女性を中心に指導していますが、彼女たちには自分らしさと同時に、一生懸命仕事をすることの大事さも伝えています。
仕事とは毎日毎日の積み重ねでできているもの。私の息子は時々、一気に億万長者へと駆け上がった成功者のケースを挙げて、「頑張らなくても、ああいうふうになるからいいよ」なんて言いますが、こうした日々の努力が必要なのです。
一度に全部やるのは当然難しいでしょう。大きな目標に向けて、「今日はこれをクリアする」と一日一日達成していくことが積み重ねになる、とよく言っています。

トッドさんは映画やテレビにとどまらず、ゲーム開発などにも携わっているそうですが、 ほかにも挑戦してみたいことはありますか?

実は、今まさに新しいことに取り組んでいます。フイルムスクールを卒業し、映画の仕事に携わって今年で30年の節目になったのを記念し、私の今までの経験をまとめた本を書いています。今までの失敗談もたくさん載せて、おもしろい内容になっていますので、ぜひ読んで欲しいです。

最後に、映画業界に携わりたいと思っている日本の高校生にアドバイスをお願いします!

私が重要だと思うのは、文学を学ぶことです。だから映画業界に興味があるのであれば、たくさんの本を読んでほしいですね。
今はiPhoneや動画編集ソフトがあり、映像づくりが簡単にできる時代。YouTubeでも短編映画のような作品がたくさんアップされています。しかし、本当に必要なのはツールを使うスキルではなく、物語を語る技術です。古典文学や興味のある小説をいろいろと読んでみてください。そうすれば、いいストーリー、キャラクターづくりが映画で一番大事なことだと学べるでしょう。
そして、本当に映画を愛し、映画業界で仕事がしたいのなら、黒沢明監督やアルフレッド・ヒッチコック監督など白黒時代の名作を観てください。そこには宝物がたくさんあります。
私の子どもたちは、「色が付いてないと映画じゃない」くらいに思っていて、興味をもってくれないのですが…(笑)。

ありがとうございました!
進路を「自分で決める」のは勇気がいるけれど、自分の気持ちに正直な選択なら、困難も乗り切れるもの。
キャリタス進学で、「本気になれること」にとことん向き合える場所を探してみよう!

好きから見つけるシゴトと学校

取材日 : 2016年6月21日

Profile

プロデューサー : スザンヌ・トッド

プロデューサーとしてこれまで数々の賞を受賞し、製作した映画の全世界における興業売上総計は20億ドルを超える。代表作は、「アクロス・ザ・ユニバース」、「メメント」、「セレステ∞ジェシー」、「理想の恋人.com」、「Prime」、「マネー・ゲーム」、「オースティン・パワーズ」三部作など。また、HBO(米ケーブルテレビ放送局)のヒット作「スリーウイメン/この壁と話せたら」と、その続編「ウーマン ラブ ウーマン」では製作総指揮を務め、エミー賞やゴールデングローブ賞、SAG(映画俳優組合賞)を受賞。また、映画やテレビにとどまらず、コンサルタントとしてゲーム開発にも携わり、アメリカプロデューサー組合と母校のフイルムスクールでは若手映画作家の育成にも尽力するなど、幅広く活躍している。

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