第4章目標点を決めて、やることを明確に

1.「すべての科目を完璧にしなきゃ」という勘違い

「合格」=合格最低点を超えること

限られた時間で合格を狙うには、「すべてを完璧にする」という考え方はまず捨てなければいけません。ここで第一に考えてほしいのは「合格する=合格最低点を超える」であるということ。大学入試は満点を取らなければいけないわけでも、全てを完璧にしていないといけないわけではありません。入試で1位を取ったり上位を狙ったりするのではなく、あくまでその年の受験者の中で「合格の枠の中に入る」ことが一番の目的ですから、この「合格最低点を超える」ことに最適化した勉強をしていく必要があるわけです。

「普通に勉強するのと何がちがうの?」と思う人がもしかしたらいるかも知れません。「完璧を目指す」勉強の仕方と「合格最低点を超えることを目指す」勉強の仕方は、「科目の時間配分」という点で大きく異なります。「完璧を目指す」となるとどうしてもどの科目もまんべんなく、もしくは苦手な科目を優先して勉強することになりますが、「合格最低点を超える」ために勉強するのであれば「得点にいちばん影響が大きい科目」から勉強することになります。ここでいう「影響が大きい科目」というのは、たとえば「配点が大きい」科目や「得意な」科目ですね。

たとえば全体の配点のうち英語が150点、国語・社会が100点ずつだとしましょう。このときに「合格最低点を超える」ために一番頑張りたいのは、最も配点が高い「英語」です。国語や社会で7割の得点でも70点にしかなりませんが、英語で7割を取れば105点となり、国語・社会の満点を上回ることができますよね。そうであれば、勉強時間の半分は英語に使い、残りを国語・社会の勉強に使うというような極端な時間の使い方も可能です。

このように「配点をみて点数が伸びやすい科目・大事そうな科目」に注力して、勉強時間を確保していくという戦略を立てるのが「合格最低点を超えるために勉強する」ということです。では、どうやって戦略を立てていくのか?ということについては、次回から詳しく触れていくことにしましょう!