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2026/4/8
話者の顔が見えると、英語の発話練習がより正確になることが明らかに
東北大学大学院国際文化研究科・チョン・ヒョンジョン教授と、関西学院大学・門田修平教授(研究実施当時・現名誉教授)らによる共同研究チームは、英語学習で広く用いられるシャドーイング(聞こえた英語をほぼ同時に繰り返す発話練習)において、話し手の顔が見えると発話の正確さが有意に向上することを明らかにした。
英語学習において、聞こえた音声をほぼ同時に繰り返すシャドーイングは、聞く力と話す力を結びつける練習法として広く用いられている。しかし、従来の研究や教材の多くは音声のみを対象としており、話し手の顔情報が学習に与える影響は十分に検証されていなかった。
本研究では、日本語を母語とする中上級レベル(TOEFL ITP平均 564点、CEFR B2レベル相当)の日本人大学生42名を対象とし、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて脳活動を同時に計測し、顔情報が発話を伴う言語処理にどのように関与するのかを検証。その結果、顔が見える条件では、顔が見えない条件と比較して、音声と視覚の統合、記憶形成、動機づけに関わる脳領域 (左後部中側頭回、左海馬、右腹側淡蒼球など)において有意に強い活動がみられることを確認。英語の習熟度が高い学習者ほど、話者の顔情報を発話のための統合情報としてより効果的かつ効率的に活用していることを示しているとした。
この成果は、顔情報が言語処理に関与する可能性を示しており、映像教材やオンライン学習の設計に新たな視点を提供することが期待される。また、研究グループは、双方向的コミュニケーション環境や長期的な学習効果についても検証を進め、教育実践への応用を目指していくとしている。