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2026/3/18
魚由来タンパク質が、加齢に伴う短期記憶低下を予防することを明らかに
関西大学化学生命工学部・細見亮太教授、福永健治教授らと、関西医科大学医学部・衛生・公衆衛生学講座・村上由希講師との研究チームは、魚由来タンパク質の摂取が加齢に伴う短期記憶の低下を予防する効果についての研究成果を発表した。
従来より、魚が認知症予防によいのは、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)といった「オメガ3系脂肪酸」によるものと考えられてきた。この成分には血液をサラサラにしたり、血管の健康を守る効果があることはよく知られ、脳機能に対する有益な効果も報告されているが、その効果がDHA・EPAだけで説明できるのかは明らかになっていなかった。
研究チームは、脂肪酸だけでなく、主要栄養素の一つである「タンパク質」に注目。また、腸バリア機能が低下し、体全体に起こる炎症が老化や認知機能の低下につながる可能性があることが分かってきていることから、魚タンパク質の摂取が腸の機能にどのような影響を与えるのかを明らかにすることで、脳機能維持の仕組みが分かると考えた。研究では、老化が早く進むマウスと正常老化を示すマウスを用い、魚由来タンパク質を含んだ餌を5ヶ月間給餌。その結果、魚由来タンパク質の摂取は短期記憶低下を予防することが明らかとなり、その仕組みとしては、腸内環境を整え脳における炎症を抑制することで、神経細胞の構造損傷を軽減し、老化に伴う短期記憶低下を予防している可能性が示された。
この成果は、食事中のタンパク質源が腸内細菌のバランスを整え、加齢による認知機能の低下を防ぐ効果的な方法になり得ることを科学的に示しており、魚を食べることによる健康効果を科学的に実証したと言える。