進路選択は保護者や先生に任せきりで大丈夫ですか。
保護者に言われました、先生に言われました、就職実績が高いから、などというだけで選ぶのは違うように思います。進路選択は、受験生一人ひとりが主役です。皆さんが主役である以上、最後は皆さんが判断すべきです。判断材料になるのがオープンキャンパスや進学関連の本や進学情報サイト。もちろん、情報収集の過程では保護者の意見も聞く必要がありますし、高校の先生のアドバイスを聞く必要もあります。ですが、最後は自分の判断です。
オープンキャンパスで「これはやるべき」ということがあれば教えてください。
新型コロナウイルスの影響でオープンキャンパスもままならない大学もあります。ただ、実施しているなら、「相談コーナー」はぜひ訪ねてください。「何を聞いたらいいか分からない」「変なことを聞いたら怒られそう」などと遠慮する必要はありません。相談コーナーにいる教職員や先輩学生は、目的意識がないとか、進路がよく分からないという高校生が来ることを織り込んだうえで応対しているからです。自分の今の正直な気持ちをぶつけてみてください。お勧めする理由のもうひとつは、相談コーナーでの会話が面接の練習になるということです。特に総合型選抜、学校推薦型選抜を考えている人には、相談コーナーで初対面の人と話すことは、有効な練習になるでしょう。
高校生に向けて応援メッセージ
コロナ禍で社会も就職状況も大きく変わりました。将来に不安を感じる高校生もたくさんいるでしょう。けれども、日本がなくなったとか世界がなくなったというわけでありません。経済的に苦しくなった業界や企業があるのは事実ですが、一方で伸びている業界や企業もあります。だから、ただ社会の変化に対して怯えるばかりでなく、分からないなりに自分の将来について考えてみましょう。自分が主役であることを忘れないでください。
PROFILE
石渡嶺司(いしわたり れいじ)
大学ジャーナリスト。1975年、札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。日用雑貨の実演販売、編集プロダクション勤務を経て2003年から大学・就活を主なテーマに執筆を開始。関連著作は『改訂版 大学の学科図鑑』を含めて累計31冊(62万部)にのぼる。近年は「Yahoo!ニュース 個人」で関連記事を執筆し、1〜2カ月に1回の割合でヤフートピックス入りを果たしている。2018年には「Yahoo!ニュース 個人 オーサ―コメントアワード」を受賞。テレビ・ラジオ出演や高校・大学での講演も多数。2020年からYouTubeの活動も展開中。著書に『就活のワナ』(講談社+α新書)、『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)など。
Yahoo!ニュース オーサー
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/
書籍紹介

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取材日:2021年4月6日