早稲田大学の総合型選抜 |出願条件・倍率・入試対策を解説

学問でもスポーツでも、そして実業の分野でも、名を馳せる早稲田大学。誰もが知る、私学の雄です。入試改革にも積極的で、実は「2026年までに、募集定員の6割を推薦入試に割り振る」 との目標を立て、計画を進めています。

大学側も重視する推薦入試、その1つが総合型選抜です。今回は、早稲田大学の総合型選抜について、出願条件や日程、競争率、合格に向けた対策などを詳しく解説します。
早稲田大学の総合型選抜を志望する高校生は、ぜひ参考にしてください。

※本内容は、早稲田大学公表の情報をもとに掲載しています。入試関連情報は一部予定を含んでいる場合もありますので、必ず最新の大学発行の入試要項等でご確認ください。

早稲田大学の総合型選抜入試 の概要

早稲田大学の総合型選抜には、さまざまな方式があります。先に全体像を押さえ、それから詳細を見る流れで進めると、正しく把握しやすくなります。はじめに、早稲田大学の総合型選抜の概要を解説します。

早稲田大学の総合型選抜入試は9方式


早稲田大学では、以下9方式の総合型選抜を実施しています。

・地域探究・貢献入試
・全国自己推薦入試
・早稲田建築AO入試(創成入試)
・特別選抜入試
・FACT選抜入試
・総合型選抜T群(トップアスリート入試)
・総合型選抜U群(アスリート選抜入試)
・総合型選抜V群(スポーツ自己推薦入試)
・スポーツサポート歴入試

方式ごとに実施する学部が異なります。次項から、それぞれの方式の実施目的やポイントを解説します。

地域探究・貢献入試


地域探究・貢献入試は、以下の学部が実施します。

・法学部
・教育学部※
・文化構想学部
・文学部
・人間科学部
・スポーツ科学部


※ 教育学部のうち、生涯教育学専修・教育心理学専修・初等教育学専攻・国語国文学科・社会科地理歴史専修・理学科地球科学専修が実施
※ 商学部の地域探究・貢献入試は、2024年度入試をもって募集停止

地域探究・貢献入試は、地域問題の解決や将来的な発展に貢献できる人材を選抜します。グローバルな視野を持つ受験生、また主体的に学び活動する意欲がある受験生を求めています。
また、合格を「大学の入口」とは考えず、入学後の教育やキャリアと関連付けられる姿勢も大切です。地域探究・貢献入試で入学した学生を対象とした演習科目も設置されており、入学後は自分のテーマを決め、深く掘り下げる学修が求められます。

なお、最終選考では大学入学共通テストの成績も利用されます。

全国自己推薦入試


全国自己推薦入試は、社会科学部が実施します。
高校時代の多様な活動や、早稲田大学で学びたい強い意欲にもとづき、自分で自分を推薦する入試です。
勉強はもちろんのこと、自分で決めたテーマに取り組んできた受験生、個性あふれる受験生を求めています。

早稲田建築AO入試(創成入試)


早稲田建築AO入試(創成入試)は、創造理工学部建築学科が実施します。建築分野が直面する災害の課題や地球環境問題、少子高齢化にともなう市場の変化などに対応できる建築士の卵を選抜する方式です。創造性やコミュニケーション能力、指導力を備えた受験生が歓迎されます。

特別選抜入試


特別選抜入試は、先進理工学部が実施する総合型選抜です。理数分野で秀でた実績を持つ受験生を選抜します。
2025年度入試までは応用化学科・生命医科学科・電気・情報生命工学科の3学科が実施します。2026年度入試からは電気・情報生命工学科が特別選抜入試の募集を停止し、応用化学科・生命医科学科のみの実施になることが、決定しています。

(参考)2026 年度以降の先進理工学部 特別選抜入試について|早稲田大学

FACT選抜入試


FACT選抜入試は、人間科学部が実施しています。
現代社会が直面する問題の解決に重要な5つの力「CLEAR」を備えた受験生を選抜します。

<CLEARが示す5つの力>
Communication:対話の力
Logic:論理の力
Expression:表現の力
Analysis:分析の力
Reflection:省察の力

学際的な学びの場である人間科学部で活躍できるよう、幅広い基礎学力やデータを読み解き要約する力、洞察力・分析力、論理的思考力、クリティカルシンキングの力を持つ受験生が待ち望まれています。

総合型選抜T群【トップアスリート入験】


スポーツ科学部の総合型選抜T群【トップアスリート入験】は、国際的なスポーツの大会で活躍が期待できるアスリートを選抜します。
出願を希望する受験生は、出願期間前に大学が主催する「事前セミナー」受講と「個別面談」への参加が必須です。詳しくは、「早稲田大学の総合型選抜入試出願条件と選抜方法」の章をご覧ください。

総合型選抜U群【アスリート選抜入験】


スポーツ科学部の総合型選抜U群【アスリート選抜入験】は、高いスポーツ技能を持つ受験生を選抜します。公募制ではない点に、注意してください。出願にあたっては、早稲田大学体育各部と事前に連携する必要があります。
詳しくは部活の顧問・クラブチームのコーチ等に相談してみましょう。

総合型選抜V群【スポーツ自己推薦入験】


スポーツ科学部が実施する総合型選抜V群【スポーツ自己推薦入験】は、優れたスポーツ能力を持つ受験生を選抜します。「全国レベルの大会で活躍した」「高校代表に選ばれた」等、高校時代にスポーツ活動で実績を残した受験生が待ち望まれています。

スポーツサポート歴入試


スポーツサポート歴入試は、スポーツ科学部が実施しています。
部活やクラブチームなどで、競技するアスリートを「支えてきた」経験を持つ受験生を選抜します。
また、スポーツサポート歴入試は基礎学力も重視します。大学入学共通テストの受験が必須で、成績が合否判定に利用されます。

早稲田大学が求める人材


早稲田大学は、「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」を教えの柱とします。学部教育で専門的な知見を習得し、互いに尊重し合いながら、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。
学位授与の方針は、以下の6つです。

(1) 構想・構築力
(2) 問題発見・解決力
(3) コミュニケーション力
(4) 健全な批判精神
(5) 自律と寛容の精神
(6) 国際性

演習やゼミなど、双方向のやり取りを重視した授業スタイルも、早稲田大学の特徴です。フィールドワークで実践的に学びたい受験生、指導者と対話しながら深く学びたい受験生に、おすすめの大学といえるでしょう。

早稲田大学の総合型選抜の入試・合格発表日程


早稲田大学が実施する総合型選抜のスケジュールをまとめました。なお、下表は2025年度入試の日程です。最新情報は、募集要項等で確認してください。

地域探究・貢献入試


地域探究・貢献入試は、学部によって合格発表日が異なります。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
2次選考
合格発表日
最終合格
発表日
9月1日(日)〜9月12日(木) 10月11日(金) 10月27日(日) 11月21日(木) 2月11日(火)
教育 2月12日(水)
文化構想 2月10日(月)
人間科学 11月15日(金) 2月15日(土)
スポーツ科学 2月16日(日)
地域探究・貢献入試では、2次選考の後に、大学入学共通テストの成績による合否判定が行われます。最終合格発表が総合型選抜にしては遅い2月となっているのは、共通テストを利用するためです。

全国自己推薦入試


全国自己推薦入試のスケジュールは、下表の通りです。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
2次選考
合格発表日
社会 9月23日(月)〜9月30日(月) 11月8日(金) 11月17日(日) 12月13日(金)

早稲田建築AO入試(創成入試)


早稲田建築AO入試(創成入試)入試のスケジュールは、下表の通りです。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
2次選考
合格発表日
創造理工 9月2日(月)〜9月10日(火) 10月8日(火) 10月19日(土) 11月5日(火)

特別選抜入試


特別選抜入試のスケジュールは、下表の通りです。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
2次選考
合格発表日
先進理工 9月26日(木)〜10月3日(木) 11月7日(木) 11月23日(土) 12月5日(木)

FACT選抜入試


FACT入試のスケジュールは、下表の通りです。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
2次選考
合格発表日
人間科学 9月1日(日)〜9月9日(月) 9月27日(金) 10月12日(土) 11月1日(金)

総合型選抜T群【トップアスリート入験】


総合型選抜T群【トップアスリート入験】のスケジュールは、事前セミナーに参加した際に周知されます。出願を希望する受験生は、まずは事前セミナーに参加してください。
なお、事前セミナーと個別面談は、オンラインで実施されます。

<事前セミナー申込期間>
第1回:4月15日(月)〜4月19日(金)
第2回:6月17日(月)〜6月21日(金)

総合型選抜U群【アスリート選抜入験】


総合型選抜U群【アスリート選抜入験】は公募制ではないため、日程等は公表されていません。

総合型選抜V群【スポーツ自己推薦入験】


総合型選抜V群【スポーツ自己推薦入験】のスケジュールは、下表の通りです。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
2次選考
合格発表日
スポーツ科学 9月13日(金)〜9月26日(木) 10月25日(金) 11月9日(土) 11月15日(金)

スポーツサポート歴入試


スポーツサポート歴入試のスケジュールは、下表の通りです。
学部 出願期間 1次選考
合格発表日
2次選考
試験日
最終合格発表日
スポーツ科学 9月9日(月)〜9月13日(金) 10月25日(金) 11月10 日(日) 2月16日(日)
スポーツサポート歴入試では、2次選考の後に、大学入学共通テストの成績による合否判定が行われます。最終合格発表が総合型選抜にしては遅い2月となっているのは、共通テストを利用するためです。

早稲田大学の総合型選抜入試出願条件と選抜方法

早稲田大学の総合型選抜に出願できる条件は、方式・学部ごとに異なります。各学部の出願条件と選抜方法を解説します。

地域探究・貢献入試(法・教育・文化構想・文・人間科学・スポーツ科学)


地域探究・貢献入試には、特別な出願条件はありません。入試年度の大学入学共通テスト(学部指定科目)の受験が必須ですが、高校卒業(見込みを含む)の条件を満たせば誰でも出願できます。学校長の推薦書や、評定平均も不要です。
ただし、学部間の地域探究・貢献入試の併願はできません。

選考は2段階で実施されます。
1次選考は、書類選考です。提出書類にもとづき、選考が実施されます。課題レポートの提出も必要になるため、スケジュールに余裕をもって書類を準備しましょう。
2次選考は論理的思考力を問う総合試験(120分)です。2次選考合格者のみを対象に大学入学共通テストの成績が審査され、合否が決定します。共通テストの選考に必要な科目は、学部ごとに指定されています。合計を300点満点に換算し、240点以上の得点で合格となります。

全国自己推薦入試(社会)


全国自己推薦入試へは、以下の条件をすべて満たす受験生が出願できます。

高校の評定平均が全体で4.0以上
高校調査書に記載される欠席日数が45日以内
・都道府県以上の大会やコンクール等で優秀な成績を収めた、諸活動でめざましい活躍をしたなどの実績
英語検定試験で規定以上のスコアを取得

出願できる英語検定試験のスコアは、以下の通りです。
検定試験 スコア
実用英語技能検定(CSE スコア) 1,950 以上
GTEC CBT 930 以上
IELTS 4.0以上
TEAP 225以上
TOEFL iBT 42以上
TOEIC L&R / TOEIC S&W 1,150以上
詳しい条件は、要項をご覧ください。

選考は2段階で実施されます。
1次選考は書類選考です。1次選考合格者のみが、2次選考に進みます。
2次選考では小論文と面接が課されます。
なお、全国自己推薦入試では、全国を7つの地域ブロックに分け、ブロック単位で合格者を選出します。

早稲田建築AO入試(創造理工)


早稲田建築AO入試に出願できる条件は、以下の通りです。

・創造理工学部建築学科が第一志望である
・高校で数学I、IIおよび、数学A、Bを履修しており、かつ理科(科目不問)10単位以上を取得

選考は2段階で実施されます。
1次選考は書類選考です。1次選考合格者には「自己PR資料」の作成が課題として与えられ、2次選考までに準備しなければなりません。自己PR資料は、創造性や個性、リーダーシップなどをアピールできる作品・研究・調査などの実績資料です。

2次選考では筆記試験(120分)と面接が課されます。筆記試験は、鉛筆を使ったドローイングと文章説明による提案・表現です。面接は30分間のグループ面接の後、10分間の個人面接が行われます。

特別選抜入試(先進理工)


特別選抜入試に出願するための条件は、「出願学科を第一志望とする」ことのほか、以下があります。

<実績>
「日本数学オリンピック」「全国高校化学グランプリ」「日本情報オリンピック」「高校生・高専生科学技術チャレンジ(「高校生科学技術チャレンジ」を含む)」「日本学生科学賞(高校の部)」「日本生物学オリンピック」「全国物理コンテスト 物理チャレンジ」のいずれかで、規定以上の実績を持っていること

<高校での科目履修>
学科が指定する科目を、高校で履修していること

出願条件が細かいため、詳しくは要項をご確認ください。

選考は2段階で実施されます。
1次選考は書類選考、2次選考では面接が課されます。1次選考合格者のみが、2次選考に進みます。

FACT選抜入試(人間科学)


FACT入試に出願できる条件は、以下の通りです。

・人間科学部が第一志望である ・高校の全体の評定平均が3.9以上ある
・理科基礎および理科から3科目以上を履修済みである(基礎を付さない理科1科目以上)
・国語を3科目以上履修済みである
理科と国語の評定平均が4.1以上ある
・数学I、IIおよび数学A、Bを履修済みである
・高校の調査書に記載される欠席日数が40日以内である
・指定のる外国語資格・検定試験のスコアを提出できる、もしくは国際バカロレア資格を取得見込みである(出願時にIB Predicted Scoreを提出できる)

出願に利用できる外国語資格・検定試験は、以下の14種類です。なお、スコアの規定はありません。

・TOEIC® Listening & Reading Test
・TOEFL iBT®
・IELTS(Academic Module)
・GTEC(Advanced/CBT)
・TEAP(技能パターンは問わない)
・実用英語技能検定試験(英検®)
・ドイツ語技能検定試験
・ゲーテ・ドイツ語検定試験
・実用フランス語検定試験
・DELF/DALF(フランス国民教育省認定フランス語資格試験)
・実用中国語検定試験
・HSK(中国語検定)
・スペイン語技能検定
・DELE(スペイン語検定試験)

選考は2段階で実施されます。
1次選考は書類選考で、1次選考合格者のみが、2次選考に進みます。
2次選考では論述試験と面接が課されます。

総合型選抜T群【トップアスリート入験】(スポーツ科学)


総合型選抜T群【トップアスリート入験】は、事前セミナーへの参加から始まります。
事前セミナーに参加し、個別面談を経て出願となる流れです。

事前セミナーに参加できる受験生の条件は、以下の通りです。

・スポーツ科学部が第一志望である
・学部で修得した知識技能を生かし、スポーツ界に貢献する意欲がある
オリンピックや世界選手権(準じる国際大会を含む)への出場経験か、出場に相当するレベルの競技能力を持つ

要項や出願後の流れは、セミナー参加時に配布されます。

総合型選抜V群【スポーツ自己推薦入験】(スポーツ科学)


総合型選抜V群【スポーツ自己推薦入験】に出願できる条件は、以下の通りです。

・スポーツ科学部への入学を強く希望する
・あらゆるスポーツ種目で、全国大会出場等の優秀な競技成績を持つ
高校1年〜2年の全体の評定平均が3.5以上
・調査書に記載される欠席日数が40日以内

選考は2段階で実施されます。
1次選考は書類選考で、1次選考合格者のみが、2次選考に進みます。
2次選考では小論文(90分)と面接が課されます。

スポーツサポート歴入試(スポーツ科学)


スポーツサポート歴入試に出願できる条件は、以下の通りです。

・スポーツ科学部への入学を強く希望する
・高校在学中に、スポーツチーム(運動部活動を含む)の競技活動を、一定期間定期的にサポートした経験を持つ

なお、スポーツサポート歴入試では、大学入学共通テストの成績を合否判定に利用します。

選考は2段階で実施されます。
1次選考は書類選考で、1次選考合格者のみが、2次選考に進みます。
2次選考では口述試験(プレゼンテーション)です。口述試験の資材は大学が準備します。自分で用意した資料を持ち込むことは、できません。

最終的に、大学入学共通テストの成績が照合され、合否が決まります。

早稲田大学の総合型選抜入試の募集人員と倍率、合格率

早稲田大学総合型選抜の募集人員と入試結果を、表にまとめて解説します。

まず、2025年度入試における、総合型選抜の募集人員は以下の通りです。
方式 実施学部 募集人員
地域探究・貢献入試 法・教育・文化構想・文・人間科学・スポーツ科学 各学部 若干名
全国自己推薦入試 社会科 35名
早稲田建築AO入試(創成入試) 創造理工 約25名
特別選抜入試 先進理工 若干名
FACT選抜入試 人間科学 若干名
総合型選抜V群(スポーツ自己推薦入試) スポーツ科学 60名
総合型選抜T群(トップアスリート入試) スポーツ科学 若干名
スポーツサポート歴入試 スポーツ科学 若干名
2024年度入試における、早稲田大学総合型選抜の入試結果 は、以下の通りでした。
方式 実施学部 志願者数 1次選考合格者数 2次選考合格者数 最終合格者数 実質倍率
地域探究・貢献入試 33 22 7 1 33.0
商※ 42 38 5 2 21.0
文化構想 60 43 15 4 15.0
33 20 10 3 11.0
人間科学 12 12 10 2 6.0
スポーツ科学 14 9 2 0 0.0
全国自己推薦入試 社会科 222 39 5.7
早稲田建築AO入試(創成入試) 創造理工 64 38 15 4.3
特別選抜入試 先進理工 2 2 1.0
FACT選抜入試 人間科学 23 19 1.2
総合型選抜V群(スポーツ自己推薦入試) スポーツ科学 276 79 3.5
総合型選抜T群(トップアスリート入試) スポーツ科学 9 5 1.8
※教育学部は2025年度入試より地域探究・貢献入試を開始したため、過年度の入試結果はありません。※ 商学部は2024年度入試をもって、地域探究・貢献入試での募集を停止しました。
(参考)2024年度入試結果|早稲田大学

早稲田大学の総合型選抜入試における注意点

早稲田大学の総合型選抜を志望する高校生に向けて、注意したいポイントを3つ解説します。

出願に必要な評定平均と欠席日数について


早稲田大学の総合型選抜は、評定平均や欠席日数を指定する方式・学部があります。たとえば社会科学部の全国自己推薦入学試験は、評定平均4.0 以上・欠席日数が45 日以内、スポーツ科学部のスポーツ自己推薦入試では評定平均3.5以上・欠席日数40 日以内、などが一例です。

さらに、人間科学部のFACT選抜では、全体の評定平均が3.9以上かつ、「理科」「国語」で履修したすべての科目を合わせた評定平均が4.1以上といった、複雑な指定があるケースも見られます。

まずは要項を熟読し、求められている条件を正しく押さえることが大切です。自分が条件を満たしているかわからない場合は、学校の担任などに相談してみてください。

また、評定平均の指定がなくても、調査書の提出は必要です。調査書は1次選考の資料となるため、優秀な成績のほうが合格の可能性が高まります。

他大学との併願について


早稲田大学の総合型選抜は、他大学との併願は可能です。ただし、「早稲田大学への入学を強く希望する」「早稲田大学が第一志望である」といった文言が要項に見られる点に、注意してください。
志願理由書や面接では、早稲田大学が第一志望であると明言しなければなりません。また、合格辞退も、望ましくはないでしょう。

「総合型選抜で合格したら早稲田大学へ入学する」との強い気持ちを持って、総合型選抜に臨んでください。したがって、早稲田大学より志望度が高い大学との併願は、避けた方が無難です。

合格可能性について


先に解説した入試結果を見てもわかる通り、早稲田大学の総合型選抜は激戦です。条件を満たしたハイレベルな受験生がしのぎを削ることになるため、厳しい選抜になると考えて良いでしょう。不合格になる可能性も、想定しておくべきです。

総合型選抜で不合格になった場合、一般入試対策を進めることになります。すぐに気持ちを切り替え、前向きに取り組めるよう、あらかじめ心の準備をしておくことも大切です。

早稲田大学の総合型選抜入試に合格する対策

激戦の総合型選抜を制し、早稲田大学への切符をつかむために有効な、4つの対策を紹介します。

早稲田大学の総合型選抜入試に合格する対策

ユニークな経験・際立った実績を見つける


早稲田大学は、誰もが知る有名難関大学です。総合型選抜にも「我こそは」と自負する、レベルの高い受験生が集まります。
ハイレベルな競争を制するためには、大学側が思わず注目したくなるアピールポイントが必要。他の受験生を圧倒するために、自分の個性が際立つユニークな経験や実績を発見しましょう。

「得意なことがわからない」「アピールできる実績がない気がする」と感じた場合は、総合型選抜対策を専門的に手掛ける塾に、アドバイスを求めてみてください。客観的な視点で自分を分析してもらえるため、アピールの切り口を見つけられる可能性があります。

他の受験生と一線を画す、充実した書類を準備する


早稲田大学の総合型選抜では、すべての方式・学部が1次選考として書類を審査します。書類選考を突破できなければ、2次選考に進めません。入念な対策で書類の完成度を高め、まず1次選考通過を目指しましょう。通り一遍の表現ではなく、自分の言葉で、自分だけの思いや経験を書ききる努力をつぎ込みます。

また、細かな指定がある書類、原本の提出が必要なものもあるため、準備は慎重かつ確実に進めましょう。活動実績報告書や自己アピール書など、準備に時間がかかるものもあります。余裕のあるスケジュールで、計画的に進めてください。

英語(外国語)運用能力を高める


早稲田大学の総合型選抜では、外国語試験結果の提出を求める方式・学部があります。また、グローバルに活躍できる人材を育てるとの教育方針もあり、入学後も英語のスキルは必須といって良いでしょう。

英語をはじめとする外国語の高い運用能力を持つ受験生は、それだけで他の受験生より有利になります。書類や面接でのアピール要素にもなるため、外国語スキルの伸長にも努めてみてください。

学部の傾向に合わせて入念に対策する


1次選考を通過した受験生は、2次選考に進むことになります。2次選考では小論文や面接、プレゼンテーション、筆記試験などが課されます。2次選考には、書類選考を突破した“猛者”が集まることを念頭に、傾向に合わせて対策を進めましょう。

早稲田大学の入試サイトでは、総合型選抜の過去問も公開されています。ぜひチェックしてください。

(参考)過去の入試問題|早稲田大学

大学入学共通テストの受験が必要な地域探究・貢献入試およびスポーツサポート歴入試では、共通テスト対策も忘れずに進めます。

早稲田大学に総合型選抜入試で合格しやすい受験生のタイプ

競争を制し、早稲田大学に入学する権利を得るのは、どのような受験生でしょうか。早稲田大学の総合型選抜に強い受験生のタイプを、3つ解説します。

早稲田大学に総合型選抜入試で合格しやすい受験生のタイプ

論理的に考え、自分の言葉で表現できる受験生


早稲田大学は、貪欲に学び、主体的に考え、アウトプットできる学生を育てることをモットーとする大学です。入試でも、その姿勢は変わりません。客観的な分析に立脚して論理的に考え、独創性のあるアウトプットを自分の言葉で表現できる受験生は、総合型選抜に強いでしょう。

自分の意見を丁寧に表現できる力は、書類作成でも面接でも役に立ちます。日ごろから、「意識的に語彙を習得し、積極的に使ってみる」「言いたいことを簡潔にまとめる」といった練習を繰り返すと、着実に表現力が伸びていきます。

しっかり勉強し、高い基礎学力を持つ受験生


大学入学共通テストの成績を利用する方式、調査書の評定平均を指定する方式が多いことからもわかる通り、早稲田大学の総合型選抜は基礎学力の定着を重視しています。高校時代に真剣に勉強し、努力を成果につなげられた受験生は、総合型選抜で合格を手にしやすいでしょう。

普段の高校での学びを大切にし、定期テストで確実に結果を残す努力を大切にしてください。共通テスト対策が難しければ、塾を利用し、効率の良いやり方をアドバイスしてもらう方法もおすすめです。

大学入学後の学びに明確な目的意識がある受験生


高校時代、得意分野や自分の個性を生かせる分野を見つけ、継続的に取り組んだ実績がある受験生は、合格に近づきやすいといえます。早稲田大学は、入学後も意欲的に学び続けてほしい、明確な目的意識と努力できる力を持った学生に入学してほしい、と考えているからです。

得意分野や個性を生かせる分野の発見は、目標・目的の設定につながります。また、継続力は、セルフコントロールしながら努力できる力、と言い換えられるでしょう。

自分なりに、コツコツと積み上げてきた実績がないか、ぜひ振り返ってみてください。「自分だからできた」と感じられるポイントが見つかれば、それが合格への第一歩です。

早稲田大学の魅力

早稲田大学は、日本で最初の政党内閣を組織した大隈重信が設立した私学です。早稲田大学のシンボル・大隈記念講堂は、いかにも大学らしい重厚な雰囲気を漂わせる、憧れの建物。2032年には創立150周年を迎える歴史ある大学で、日本社会の変革を牽引すべく、新たな挑戦を続ける先駆性も併せ持っています。

学問はもちろん、スポーツや実業分野でも数々の実績を残す早稲田大学。幅広く学べる多様な講座や、充実の施設も人気の秘密です。

総合型選抜は、あの早稲田大学に合格する手段の1つ。難関ではありますが、だからこそチャレンジしがいのある選択です。早稲田大学生になれる日を夢見て、一歩ずつ準備を進めていってください。

まとめ

早稲田大学は、誰もが知る国内トップレベルの私立大学。最難関大学の1つとしても知られており、受験生なら一度は憧れる大学といっても良いでしょう。
歴史と先進性が同居する豊かな学びの環境と、充実したキャンパスが、最高の学生生活を約束します。

早稲田大学の総合型選抜に合格するためには、入念な事前準備と合格に足るスキルが重要です。まずは情報を集め、自分らしい総合型選抜の道を考えてみてください。キミが早稲田大学生になる日を、心から応援しています。

記事提供


執筆者名:塾探しの窓口 編集部
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