第4章目標点を決めて、やることを明確に

3.合格最低点からの目標点の決め方

まずは「科目毎」の目標点数に分解しよう

それではさっそく、具体的な「科目毎の目標点数」の決め方を見ていきましょう。このときにやるべきことが、「目標点数を科目毎に要素分解する」ということです。

要素分解をする際に気をつけるのは次の3つ。

  • 科目の配点の違いを反映させる
  • 自分の「得意・不得意」や勉強の進度を反映させる
  • 科目の特性を踏まえる

たとえば早稲田大学商学部であれば、目標点数144点に対して、「どの科目で何点取るか」に分けていきます。このときに科目数の3で割ると「各科目48点」ですが、そう単純にはいきません。

早稲田大学商学部の配点は「英語80点・国語60点・地歴60点」ですから、「各科目48点」としてしまうと「国語・地歴は8割、英語は6割」と極端になってしまいます。これを防ぐためにはまず「144点は全体の配点200点のうち7割ちょっとだから、まずは各科目で7割以上」とします。英語60点、国語42点、地歴42点とすると、英語75%、その他7割となりますね。

次に自分の「得意・不得意」を反映させます。英語が得意ならもう少し英語の目標点を高くしてもいいですし、逆に苦手なら日本史でもっと点を稼ぐようにする、ということですね。

ただし、ここでもうひとつ「科目の特性」を踏まえる必要もあります。たとえば国語は、現代文の点数が安定しづらい、かつ高得点を狙いづらいため、いくら得意でも8割以上を目標にするのはおすすめしません。その他、次のような科目の特性を踏まえて目標点を決める必要があります。

  • 国語は点数が安定しない+高得点を取りづらいので、7割くらいまでにする
  • 社会は直前に伸ばしやすいので8割くらいまで狙ってもよい
  • 数学は大問が少ないことが多く、点数が安定しないため7割くらいまでにする

ここまで考慮すると、たとえば「英語が得意、国語が苦手で、日本史は好きだけど学校の進度が遅く演習が間に合わないかもしれない」という早稲田大学商学部志望の人でいえば

英語:60/80(75%)
国語:40/60(66.7%)
日本史:44/60(73.3%)

というふうに目標点数を決めることができますね。

ここまで目標点数を決めれば、あとは「現状の学力から目標点までいちばん離れている科目」から優先的に勉強時間を割り振っていくだけです。上記の生徒なら高得点を目指すべき科目を増やして「英語4時間、国語2時間、日本史4時間」のように決められそうですね。

できれば大問ごとの目標点まで割り出そう

大学によっては情報が豊富で、「英語の第1問の要約で何点、リスニングで何点…」「数学の5つの大問のうち3つ完答して、2つは部分点を狙う」といったふうに、大問別の点数まで目標を決めることもできます。過去問を見たことがある人で余裕があれば、そこまで分析してみても良いかもしれませんね。