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2026/6/24
中央大学
中央大学文学部の有賀敦紀教授と大学院文学研究科の学生(研究時)・久保夏海さんは、手触りがコーヒーの味わいに影響を及ぼすことを発見した。これまで、容器(グラスやマグカップなど)の色・形状・材質などの特徴が、そこから飲む飲料の味覚評価に影響を及ぼすことが報告されてきた。しかし、それらの研究では視覚情報や唇からの触覚の影響を十分に排除できておらず、手で感じる触感そのものの効果は未解明となっていた。研究では、手触りによる味覚誘導効果を調べるために、質感の異なる2種類のスリーブ(筒状のカバー)を用意。「ざらざら(紙やすり)」「さらさら(クラフト紙)」のスリーブを装着したカップにブラックコーヒー(68.0℃)を約115mlずつ注ぎ、参加者(92名)には目隠しをした状態で、順番を変えてそれぞれを飲んでもらった。その結果、「ざらざら」装着カップのあとに「さらさら」装着カップの順番でコーヒーを飲むと、コーヒーの酸味が弱く感じられた。一方、「さらさら」装着カップのあとに「ざらざら」装着カップで飲む順番では、酸味が弱く感じられる効果は見られなかった。このことから、さらさらした手触りがコーヒーの酸味を弱める可能性が示された。さらに、カップを持つ手とは反対の手が紙やすりやクラフト紙に触れた状態でコーヒーを飲んだ場合でも同様の結果が得られたほか、紙やすりやクラフト紙に触れるタイミングとコーヒーを口に含むタイミングがずれると、手触りの効果は消失した。この結果は、視覚情報や唇からの触覚ではなく「手触り」だけの影響であると考えられるほか、机やメニュー表、スマートフォンなど、飲用場面のさまざまな物体の手触りがコーヒーの味わいに影響を及ぼす可能性を示唆している。また、「ざらざら=強い酸味」「さらさら=弱い酸味」の概念が心的に連合していることや、それが感覚間で共有され、知覚に影響を及ぼすことも示している。今後は、人間における触覚と味覚の感覚統合の心理・神経メカニズムのさらなる解明につながることや、UXデザインやフードマーケティングへの応用が期待される。
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