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2026/6/17
東北大学
東北大学電気通信研究所サイバー&リアルICT学際融合研究センターの程苗(Miao CHENG)らの研究チームは、AIには相手の「社会的意図」を人間と同様には理解することができない「アライメント・ギャップ(認識のズレ)」が存在することを発見した。人間には、遠くから近づいてくる人が「敵」か「味方」かを瞬時に見分ける根源的な生存スキルが備わっており、相手のごく小さなボディランゲージから「社会的意図」を読み取ることができる。一方、これまでのAIの研究においては「基本的な感情の認識」や「物理的な動作の分類」には注力されてきたが、この「社会的意図」の認識については見過ごされていた。研究では、日本と台湾の俳優から身体動作(モーションキャプチャデータ)を収集。さらに日本、台湾、中国の観察者による評価データの分析から、激しく大きな動き(高エネルギー)を伴う敵意は、文化・国籍を問わず共通の生物学的サインとして認識されることや、日本人俳優によく見られた「低エネルギーの敵意(静かな威圧など)」は、日本人観察者には容易に伝わるものの、台湾や中国の観察者には見過ごされやすい「文化の方言」として機能することを発見し、「モーション・エネルギーの閾値」が存在することを明らかにした。さらに、AIモデルに同じ身体動作を分類させたところ、69%の精度で意図を分類できたものの、表面的な物理パターンを照合するだけであり、その判断基準は人間の認識とほとんど一致しておらず、「社会的意図」を理解することができない「アライメント・ギャップ」が存在することを突き止めた。この「アライメント・ギャップ」は、サービスロボットや自動運転車が社会に普及してゆく中、トラブルの未然防止や適切な対応ができず、安全上のリスクをもたらすとされる。研究チームでは、今後、コンテキスト(文脈)を認識できるアーキテクチャ(Scene Graph GCN など)を統合し、人間が意図を解読する際に用いる「状況を想像する」戦略をAIモデルで再現することを目指している。また、より複雑な社会的意図の解読の研究へと拡張していく予定であり、最終的には「アライメント・ギャップ」を完全に埋め、現実世界における人間の行動を直感的に深く理解し、安全に稼働できる社会的に知的なロボットやシステムの開発に貢献していくとしている。
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