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2026/5/20
東北大学
東北大学大学院医学系研究科の小野千晶研究員、富田博秋教授、および岩手大学人文社会科学部の内田知宏准教授らの研究グループは、大規模震災映像の視聴中は、心拍と自律神経活動が抑制される「凍りつき」が生じ、視聴終了後には一転して交感神経が亢進する「能動的防御反応」が起こる、時間差を伴う特有の生理反応パターンを明らかにした。国内では、大規模災害が発生するたびに、被災地のみならず全国で災害映像が繰り返し放送されている。こうしたメディアを通じた二次的曝露が精神健康に悪影響を及ぼすことは知られているが、その基盤となる客観的な生理学的特性についてはほとんど解明されていなかった。グループは、東日本大震災で強い揺れを経験したものの、津波による直接の被害は受けていない健康な成人を対象に、「地震」「津波」「震災直後の公共広告」の3種の映像視聴中の心拍数と心拍変動解析を実施。その結果、映像視聴中には心拍数と自律神経活動が抑制される「凍りつき(フリーズ)」が生じ、視聴終了直後には一転して交感神経が亢進する「能動的防御反応」が起こる、時間差を伴う生理反応パターンを特定した。さらに、震災当時の公共広告などの視覚的に非侵襲的な映像でも、主観的な不快感の有無にかかわらず自律神経が反応しており、無意識下で身体的記憶が想起されていることが示唆された。この成果は、メディアを通じた震災映像への曝露が心身の防御反応を誘発する「二次的トラウマ」のメカニズム解明に寄与するとともに、大規模災害や気候変動による災害における放送ガイドラインの策定や、公衆衛生上のメンタルケア戦略を立てる上で重要な手掛かりとなることが期待される。
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