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2025/10/15
東北大学
早稲田大学国際学術院の鈴木祐一准教授、富山大学の野澤孝之教授、東北大学の内原卓海准教授(ディスティングイッシュトアソシエイトプロフェッサー)、玉川大学の中村幸子講師、東京大学先端科学技術研究センターの宮ア敦子特任研究員、東北大学の鄭嫣じょん教授の研究グループは、日本人英語学習者80名(40ペア)を対象とし、語彙練習のタイミングが学習成果と対話中の脳活動に与える影響を検証した。英語教育の現場では、コミュニケーション活動を行う際、活動で使う単語の練習は「前」と「後」のどちらで行うべきかが問われてきた。活動前であれば単語学習はコミュニケーションの準備となるが、英単語を思い出すためだけの単なる機械的な反復作業に陥る懸念もある。一方、活動後の練習は活動で使った単語の定着を促進できる可能性があるが、これらの検証はこれまで行われてきていなかった。この点に着目した研究グループは、装着型の脳活動計測装置「fNIRS」を用い、対象者の脳の同調度を比較。その結果、活動前に練習行うと記憶の定着が進み、活動後に行うと対話中の脳活動がシンクロし相互理解を促進するという、練習のタイミングによる効果の違いが明らかになった。また、活動前に練習を行うと1週間後まで効果が持続するなど、単語の知識を正確に覚える上で有効であることや、脳活動の同調性が高いペアほど語彙の学習効果も高いことが示され、対話を通じた学習における共同作業の重要性が示された。単語練習のタイミングの一つで、学習効果だけでなく、相手とのコミュニケーション中の脳の働きまで変わることが示された研究の成果は、教育者が授業の目的に合わせて単語練習のタイミングを戦略的に決定する際の重要な判断材料とすることができ、より効果的な授業設計につなげることができると期待される。
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