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2025/8/27
東京科学大学
東京科学大学総合研究院ゼロカーボンエネルギー研究所の白鳥洋介特任教授と安井伸太郎准教授らの研究チームは、水と非晶質四ホウ酸リチウムによるスライム化反応界面にリチウム塩Li (LiFSI)を介在させることで、リチウムイオン伝導経路が内部に3次元的に広がる準固体電解質「3D-SLISE」の合成に成功した。3D-SLISEは、機械学習により見出されたやわらかい非晶質(amorphous)四ホウ酸リチウムを母相として、セラミックス合成技術と分散塗布技術を駆使して、複合化という新しい視点を取り入れることで実現。作製した3D-SLISEを一般的な正極活物質および負極活物質と組み合わせて準固体電池を作製し、その性能を評価したところ、室温3度において400回を超える駆動を達成した。3D-SLISEを用いた電池は、現状では約2.35Vでの動作を実現。今後、LFP電池(動作電圧約3.3V)の電圧に近づくことができれば、エネルギー密度やコストの面から既電池の代替となる可能性がある。さらに高い安全性と優れたリサイクル性を備えており、製造現場における作業者の健康リスクを軽減するとともに、製造プロセスの簡素化によるコスト削減も見込まれる。これらの特性により、3D-SLISEは安全・持続可能な電池循環社会の中核技術としての普及が期待され、定置用電源としての利用が広がることが予想され、特に電力需要の急増が続くデータセンター向けの蓄電池用途などにおいて、有力な選択肢となる可能性を秘めている。
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