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2025/3/12
上智大学
上智大学大学院地球環境学研究科の安納住子教授らの研究グループは、SNSと深層学習を用いて、熱中症リスクを時空間レベルで早期に検知することが可能であることを実証した。近年、健康リスクを早い段階で検知することを目的として行う調査(イベントベースサーベイランス)において、SNS投稿の活用が注目されている。SNS投稿には、投稿者の感情、潜在意識、時間、場所などの情報が含まれており、これらを収集・分析することで、感染症の流行などを早期に検知し、迅速な対応を行うことが可能であることを実証。これまで、英語圏の疾患関連ツイートは、機械学習や深層学習を活用して分類され、データが利用されていたが、日本語の疾患関連ツイートに関する研究は、言語の複雑さやツイートの信頼性の問題から、ほとんど行われていないのが現状となっていた。研究では、主に自然言語処理に使用される「transformer」をベースとした深層学習モデルを用いて、熱中症関連の日本語のX(旧Twitter)の投稿(ツイート)を分類し、その妥当性について評価。また、正しく分類されたツイートと熱中症による救急搬送者のデータと合わせて分析し、時空間レベルでのイベントベースサーベイランスの可能性を調査した。その結果、transformerベースの深層学習モデルは、日本語のツイートの分類において高い性能を示すことが判明。また、時空間とアニメーションによる可視化により、正しく分類されたツイートと熱中症による救急搬送者との間に相関があることが明らかとなった。本研究は、日本語のツイートとtransformerに基づく深層学習モデルの利用の潜在的な有用性の高さを実証するものであり、高い時空間レベルでのイベントベースサーベイランスを通じて、熱中症リスクの早期検出が可能であることを示している。
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