このページはJavaScriptを使用して作成しております。 最適な状態でご覧頂くためにも、大変お手数ですがスクリプトの使用を許可してから、改めてアクセスしてください。
パンフ請求リスト0
2024/7/17
東北大学
国立大学法人東北大学大学院生命科学研究科・博士後期課程学生(社会人ドクター)兼ソニーグループ株式会社の小川哲氏、沖縄県農業研究センターの玉城麿上席主任研究員と臼井高江職員、東北大学大学院生命科学研究科の彦坂幸毅教授は、ハイパースペクトルカメラにより取得した画像から、植物のストレス状況を迅速かつ高精度で推定する手法を開発した。気候変動に伴うストレスに弱い農作物は、人口の劇的な増加による食糧増産のニーズの高まりを受け、そのストレスの状況を迅速に把握し、対処していくことが求められている。同研究では、化学反応の一つによって生じる葉の反射率変化を利用して、植物のストレス状況を評価する指数として提案された光化学反射指数(PRI)と、高性能なハイパースペクトルカメラを採用。PRIに影響する要因を丹念に検討し、ストレスを評価すべき葉だけを識別し、測定の安定性に影響を与える画像中の要素を特定し除外することで、植物のストレス状況を高精度で評価することを目指した。2次元の画像を撮影するハイパースペクトルカメラは、1つの画素(ピクセル)内のスペクトルを分析することが可能。研究では、画素内のスペクトル分布を解析することで、その画素が撮影している物体が何かを推定し、ストレス状況以外の情報を含むと考えられる画素を除き、ストレス状況の情報のみを含むと考えられる画素のPRIだけを抽出する手法を開発。潅水不足による水ストレスにさらしたトマトと通常条件で育成したトマトを比較したところ、植物のストレス状況を高精度で評価できることが明らかとなった。この成果を農業生産の場に活用することで、農作物のストレスへの対処を可能にし、増産につながることが期待される。今後は、開発した手法をさらにブラッシュアップし、農業現場で利用可能な観測システムを構築し、植物のストレス状況の迅速な検出を可能にすることを目標に研究を進めていくとしている。
編集部がお届けする教育ニューストップへ