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2024/2/14
東北大学
京都大学大学院農学研究科・恒成花織修士課程学生(研究当時、現日本放送協会)、芝林真友博士課程学生(研究当時)、井鷺裕司教授、遠藤千晴研究員、京都大学大学院人間・環境学研究科・瀬戸口浩彰教授らのグループは、琉球大学・内貴章世准教授、横田昌嗣教授(研究当時、現名誉教授)、沖縄美ら島財団総合研究所・阿部篤志室長、東北大学・牧野能士教授、陶山佳久教授、伊東拓朗助教、松尾歩学術研究員、国立台湾大学・Kuo-Fang Chung教授と共に、日本では西表島と沖縄本島のみに生育する絶滅危惧植物・タイワンホトトギスの由来と生理的特性を明らかにした。ユリ科のタイワンホトトギスは、台湾では湿った森林内に生育しているが、西表島ではごく限られた渓流の日陰の滝沿いに、沖縄本島では森林内の渓流沿いや日当たりの良い用水路沿いに、それぞれ生育している。日本の2地域では異なる環境に生育しているが、その由来や保全価値については明らかにされていなかった。グループは、台湾と日本の集団を対象に比較解析を実施。その結果、台湾に生育するタイワンホトトギスは2系統あり、それぞれが台湾から西表島へ、台湾から沖縄本島へと、個別に分布拡大してきたことが明らかになった。また、森林内で滝飛沫がかかる場所のみに生育している西表島の集団は、暗い環境に適応した光合成特性やゲノム内の有害変異の蓄積から、本質的に脆弱であることが判明。さらに、森林内の渓流沿いや日当たりの良い用水路沿いに頑強な集団が生育している沖縄本島の集団は、人為的な持ち込みによる生息が考えられていたが、系統的特徴や遺伝的多様性の観点から自然分布に由来するものであり、保全価値を有することが明らかになった。この成果により、タイワンホトトギスは異なった経路で西表島と沖縄本島に到来したこと、また保全価値があることが判明した。さらに、本質的に脆弱である西表島の集団は、より慎重な保全が必要であることが示された。
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