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2023/11/29
酪農学園大学
名古屋大学大学院工学研究科の佐藤史哉博士前期課程学生(研究当時)、前田英次郎准教授、松本健郎教授らの研究グループは、広島大学両生類研究センターの林利憲教授、北海道千歳リハビリテーション大学の鈴木大輔教授、酪農学園大学の岩崎智仁教授との共同研究で、イモリを用いて損傷した腱が完全に再生する現象と、そのメカニズムを人間に活かすためのヒントを新たに発見した。一度断裂したヒトの腱を完全に元通りにする治療法は確立されておらず、腱損傷のほとんどは完全には元に戻らないことが知られている。研究では、四肢や心臓を再生することが知られる両生類イベリアトゲイモリを腱再生の手本にすることを着想。ヒトの日常で起きる腱の怪我をイモリで再現し、治癒過程をマウスと比較することで、その再生能力を調査した。その結果、イモリは切断された腱を3ヶ月(12週間)でその強度・剛性を健常な腱と同じレベルまで回復させることができた。イモリの腱はマウスの腱と同等の強度・弾性率を有する一方で、マウス腱と比べてシンプルな構造をしており、これが腱再生の鍵であることが判明した。今回の研究により、現状では不完全に終わるヒトの腱の損傷治癒を、完全な機能回復に導くためのメカニズムが明らかになった。今後の研究においては、プロアスリートのみならず一般人の腱の断裂や損傷を早期に回復させ、競技や日常生活に復帰できる医療技術開発への応用が期待されている。
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