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2023/11/29
東京医科歯科大学
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科健康推進歯学分野の木野志保講師と相田潤教授の研究グループは、ハーバード大学、千葉大学との共同研究で、2011年の東日本大震災およびそれに伴う津波の被害を受けた地域で、震災による大きな被害を免れた地域と比較して、高齢者の健康格差が拡大したかどうかを検証した。災害は、社会経済的要因による健康格差を拡大させる可能性があることが知られている。研究では、2011年の東日本大震災および津波による災害で直接被害を受けた地域在住の高齢者コホート(岩沼研究)と直接被害を受けなかった自治体の高齢者コホート(岩沼市を除く日本老年学的評価研究)のデータを使用し、それぞれのコホートから震災前・震災後の情報を収集して分析を行った。その結果、両地域の健康格差は震災後に変化していなかったことを明らかにした。研究グループでは、社会経済的要因による健康格差に変化がないという結果が得られた理由の一つとして、震災後に被災者を支援するための住居の提供、経済的支援、医療へのアクセスなどの政府と地方自治体の取り組みが、社会経済的要因に関わらず、すべての集団に行き渡っていた可能性が考えられる。よって、社会経済的に不利な立場にある人々のグループを対象に、より多くのリソースを選択的に提供することで、震災後の健康格差の拡大を軽減することができた可能性が示唆された。
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