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2023/3/29
東北大学
東北大学農学研究科の深澤遊助教、長岡工業高等専門学校の武樋孝幸講師および赤井大介本科生、京都大学白眉センターの潮雅之特定准教授(現・香港科技大学助理教授)の研究グループは、森林の地上から発生した外生菌根菌オオキツネタケのキノコ(子実体)に電極を設置し、雨が降った後にキノコの電気的な活性が変化しそれが維持されることを野外で初めて測定することに成功した。植物の根に菌糸を侵入させ、菌根と呼ばれる共生体をつくる菌根菌の菌糸を介した植物間のシグナル伝達は世間の注目を集めているが、科学的なデータは乏しいほか、野外での菌類による電気的シグナル伝達はこれまで計測されていなかった。研究では、森林の地上に発生した菌根菌オオキツネタケのキノコ6個に電極を設置し、2日にわたって電位を計測。その結果、雨が降るとキノコの電位が変化することがわかったほか、キノコ間での電位の変動パターンに有意な因果関係が確認されたことから、キノコ間で電気シグナル伝達が起こっている可能性があることが示唆された。野外の菌類におけるシグナル伝達の理解は、森林における菌類の生態学的な役割の理解や制御に役立つと考えられる本研究成果は、2023年3月14日に菌類生態学の国際誌Fungal Ecologyのオンライン版に公開された。
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