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2022/12/21
東北大学
東北大学大学院農学研究科の豆野皓太助教、国立環境研究所、筑波大学、北海道大学の研究グループは、生物多様性に配慮して生産された米(保全米)の認証ラベルに対する消費者の評価を、支払意志額に基づいて推計した。近年、保全米生産の更なる発展が期待されているが、生物多様性は市場で取引される価格が存在せず、農業従事者や消費者の意思決定に十分に反映されず、保全米生産の促進に影を落としている。研究では、保全米の認証ラベルを通じて顕在化される生物多様性の価値を貨幣価値単位で推計するとともに、認証方法の違いが付加価値に与える影響を、ウェブアンケートによって調査。4つの設問に対し、全国から得られた20代〜60代・1,034人の回答を分析した。その結果、認証ラベルに描かれる保全象徴種が魚類の場合と鳥類の場合とでは評価に違いがあり、また生物多様性への配慮の認証を農法認証とする場合と成果認証とする場合とでも評価が異なり、保全米の付加価値に違いが生じることが明らかとなった。これらの結果は、消費者の評価に基づいて適切に認証ラベルをデザインすることで、保全米を差異化・高付加価値化できる可能性を示唆。それを踏まえ同研究は、生物多様性保全と食料安全保障との両立に向けて、農地の生物多様性の価値を顕在化し、保全を促進するマーケティング手法の構築の一助につながると見込まれている。
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