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2022/11/16
東北大学
東北大学病院・肢体不自由リハビリテーション学分野の奧山純子助教、東北大学災害科学国際研究所の門廻充侍助教ら研究チームは、2011年の東日本大震災後3年間に取得されたデータを用いて、青年のレジリエンス(逆境、ストレス、トラウマを伴う異常でネガティブな状況に直面したときに立ち直る能力)の特性を検討した。日本は先進国のなかで唯一、15〜39歳の死因の第1位が自殺であり、特に思春期の世代の自殺が多いことが知られている。現在、長期化しているCOVID-19のパンデミックは、日本の青年にとってさらにストレスになる可能性があるほか、世界的に見ても、新型コロナウイルスの感染症蔓延を抑制する対策のために、多くの青年がプレッシャーを感じていることが明らかになっている。しかし、COVID-19パンデミック下において長期に影響を受けている青年のメンタルヘルスを改善する方策はこれまで提案されていなかった。研究チームは、2011年の東日本大震災後の高校生と、現在のCOVID-19パンデミック下の青年の状況の相同性に着目し、2011年東日本大震災とCOVID-19パンデミック下における状況の類似点について先行文献をレビュー。そして2011年の東日本大震災と津波の被害を受けた宮城県南部の3つの高校の3年間にわたる心理状態やライフスタイルなどについて、計5,611名の調査データを用いて、津波被害別にレジリエンスに寄与する予測モデル(Prediction One/ソニーネットワークコミュニケーションズ)を開発。津波のために高校の建物が全壊したケース、津波が高校の側まで来たものの建物の被害がなかったケース、そして津波の被害が全くなかったケースのいずれのケースにおいても、レジリエンスに寄与するものは抑うつ気分であることが示された。これらの結果から、COVID-19パンデミック下でストレスを感じている青年に対し、生活環境やライフスタイルが個々に変化の仕方が異なっていても抑うつ気分を介入の対象とすることでレジリエンスを向上する可能性があることが示された。
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