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2022/10/26
東北大学
東北大学大学院医工学研究科の永富教授らの研究チームは、高強度ランニング運動におけるL-メントールの飲用が、運動中の息苦しさを緩和し、持久運動能力を伸ばすことを実験的に明らかにした。冷感作用があり、暑熱対策に使用されているL-メントールは、喉の痛みや鼻詰まりの緩和などに使われているが、持久運動中の息苦しさと持久運動能力に及ぼす影響についての研究はこれまで行われていなかった。チームでは、暑くない環境下で、競技レベルのランナーを対象とし、高強度ランニング(最大心拍数の90%前後の速度一定のトレッドミルランニング)テストを行い、ランニング中の息苦しさと疲労困憊に至るまでの時間(持久運動能力)を、L-メントール溶液摂取の有無の違いで比較した。ランニングテスト前後には長い筒状のパイプ(吸気抵抗)を介して呼吸したときの吸気抵抗閾値を測定するとともに、呼吸困難感のテストも行った。その結果、高強度ランニング中のL-メントール溶液の摂取は水の飲用に比ベて運動中の息苦しさを緩和し、持久運動能力を伸ばした。また疲労困憊後は、水の飲用のみでは筒状の吸気抵抗を介して呼吸すると苦しさ(呼吸困難感)を示したのに対して、L-メントールを摂取しておくと苦しさを感じなくなることが示された。これらのことから、L-メントール溶液が高強度持久運動中の息苦しさを緩和し、持久運動能力を伸ばしたことにより、L-メントール冷感作用が暑熱対策だけでなく、運動能力の発揮に有用であることが示された。今後は、L-メントールの冷感による運動時間の延長効果は、すでに運動に取り組んでいる人の運動能力向上だけでなく、運動習慣のない方の運動取り組みへの第一歩や運動継続に役立つと期待される。
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