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2022/8/24
東北大学
東北大学大学院生命科学研究科・常松友美助教、筑波大学人間系・高橋阿貴准教授、慶應義塾大学医学部・田中謙二教授の研究グループは、挑発を受けると攻撃的になる脳内の仕組みを解明した。グループはこれまでに、マウスを用いた実験で、他者からの挑発(社会的挑発)を受けたときに、脳内の背側縫線核において、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の入力が増加することを明らかにしてきた。背側縫線核にグルタミン酸ニューロンの投射を行う脳領域の一つに、不快情動やストレスに関わる外側手綱核があり、今回の研究ではこの外側手綱核から背側縫線核への投射ニューロンが、社会的挑発を受けることにより活性化することを見いだした。この神経投射の活動を抑制すると、社会的挑発を受けても攻撃行動が起こらなくなることから、外側手綱核から背側縫線核への興奮性入力が社会的挑発による攻撃行動の増加に関与することが示された。さらに、社会的挑発による攻撃行動の増加には、背側縫線核の非セロトニンニューロンのうち、腹側被蓋野に投射しているニューロンが関与することが示された。この研究成果から攻撃行動が過剰になるメカニズムの一端が明らかとなったことで、人間の暴力性の問題の理解にもつながると期待されている。
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