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2022/8/17
東北大学
東北大学病院婦人科学分野の横山絵美助教、東北医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室の目時弘仁教授、近畿大学東洋医学研究所の武田卓教授らのグループは、魚の摂取頻度と月経困難症(月経痛)との関連に着目し、産後の女性において魚の摂取頻度が週1回以上であると、中等度以上の月経痛を有するリスクが低くなる傾向があることを明らかにした。調査は、2011年〜2014年にかけて日本で行われたエコチル調査の全国データから、宮城ユニットセンターに登録された2,060人の女性を対象とし、最終出産から1.5年後に、魚の摂取頻度と月経痛の関連を調査した。産後1.5年時の月経痛の重症度を調査した結果、産後の女性の28.1%で中等度以上の月経痛があったことがわかった。魚の摂取頻度が週1回未満の女性の38.0%が中等度以上の月経痛があるのに対し、魚の摂取頻度が週1回の女性では26.9%、週2〜3回の女性では27.8%、週4回以上の女性では23.9%が中等度以上の月経痛があった。また、魚の摂取頻度と中等度以上の月経痛があるリスクを解析した結果、魚の摂取頻度が週1回以上の女性は、中等度以上の月経痛を有するリスクが低いことが判明した。この結果は、女性の月経痛と関連性の高い、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患の既往歴や年齢、学歴、収入など社会経済要因を考慮しても変わらなかった。魚の摂取頻度が高いと中等度以上の月経痛が少ない傾向が見られるというこの結果は、魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)を始め、豊富に含まれるビタミンDやビタミンEなどの栄養素が月経困難症に予防的に働いたと推測されている。産後の女性は、日頃の食事に魚料理を取り入れるよう心がけることで、苦しい月経痛に悩むことが少なくなると期待できるが、今回の研究は横断的な検討であり、長期的な予防効果については未解明のため、今後さらなる調査にて検証する予定となっている。
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