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2022/2/2
東北大学
東北大学多元物質科学研究所の鈴木龍樹助教、奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学領域の安原主馬准教授、海洋研究開発機構の出口茂生命理工学センター長は、トマトやニンジンに含まれるカロテノイドの柔らかな分子構造に由来する「歪みやすさ」がその独特の色調を生み出していることや、カロテノイドの分子歪みが微粒子の光学物性(色調)に影響していることを明らかにした。野菜や果物は、熟成過程でクロロフィルから生産されるカロテノイドと呼ばれる有機色素が形成する微粒子によって赤やオレンジなどに色付くとされている。カロテノイドはポリエン基本骨格に由来する柔軟性に富む分子構造を大きな特徴としており、分子が応力に応答して歪みやすく、その歪んだ形や動きに応じて分子が持つ特性も変化しやすいことを意味している。鈴木助教らのチームは、4種のカロテノイド「リコペン」(完熟トマトの赤色の元)「ベータカロテン」(ニンジンのオレンジ色の元)、「ルテイン」(ほうれん草に多く含まれる黄色色素)、「アスタキサンチン」(鮭やエビ、カニなどに多く含まれる赤色色素)を用いて研究を実施。その結果、成熟した野菜や果実の鮮やかな色調を生み出す色素カロテノイドの色調には、分子の「歪み」が強く影響していることを明らかにした。この研究成果により、天然素材が持つ本来の色調を引き出した鮮やかな着色技術や、分子の歪みによって物性を制御可能な新規ナノ材料の開発などへの応用が期待されている。
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