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2022/1/26
東北大学
東北大学大学院医工学研究科/医学系研究(兼)・川瀬哲明教授、医学系研究科耳鼻咽喉・頭頚部外科学分野・香取幸夫教授、医学系研究科てんかん学分野・中里信和教授、加齢医学研究所・川島隆太教授らのグループは、選択的注意を要する作業中に提示されるBGMの選択的注意妨害効果とその特性について報告した。研究では、被験者の左耳にテスト音(注意刺激:聞くべき音)を提示し、テスト音が提示されるたびにボタンを押すというタスクを実施。その際、右耳(対側耳)に音楽刺激(無視したい音)を同時に提示し、脳磁図を用いて音楽刺激の妨害効果を検討した。対側耳にノイズ刺激を聞かせた場合、テスト音に対する脳の領域の脳磁図の反応(大脳聴覚野N1m反応)はほとんど影響を受けないにもかかわらず、対側耳に音楽を聞かせた場合、信号の振幅低下や反応までの時間の遅れ(潜時延長)といったN1mでの反応が著明に抑制されることが明らかとなった。また、対側耳の音楽の大きさを音楽が聞こえるか聞こえないか(閾値)のレベル付近まで下げても、N1mの抑制が観察された。さらに、この脳磁図で観察された対側耳に聞かせた音楽の影響は、テスト音提示に対するボタン押し作業の反応時間でも確認されることを明らかにした。本研究は、低音量のBGMでも選択的注意が妨害されうることを初めて明らかにしており、音楽やラジオを聴きながらの“ながら作業”では、低レベルの音量でも作業への注意レベルが低下する可能性に注意が必要であることを示唆。また、この成果は、聴覚情報処理障害など選択的注意の病理が関係した聞き取り障害の病態解明や検査法開発にも寄与・貢献することが期待される。
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