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2021/12/22
十文字学園女子大学
十文字学園女子大学食品開発学科助手・後田ちひろ氏、京都府立医科大学大学院医学研究科医療フロンティア展開学(消化器内科学併任)准教授・木智久氏、生体免疫栄養学講座教授・内藤裕二氏らの研究グループは、アレルギーモデルマウスを用いてリコピン摂取によるアレルギー症状抑制メカニズムを解明した。免疫細胞の1つである制御性T細胞(regulatory T cell: Treg細胞)は、食物アレルギーを減弱することが報告されており、ビタミンAの代謝産物であるレチノイン酸がT細胞の分化を促進させることも報告されている。しかし、野菜や果物に含まれる色素であるカロテノイドのT細胞に対する作用は明らかにされていなかった。研究では、食物アレルギーモデルマウスを作成し、リコピン摂餌による影響を調べたところ、大腸粘膜内のT細胞の数が有意に増加し、食物アレルギー症状が軽減。また、食物アレルギー発症時に増加するサイトカインであるIL4、IL-9、IL-13の大腸粘膜内の発現を調べたところ、リコピン摂取によって有意に減少したほか、食物アレルギー発症に重要な役割を担う肥満細胞の増殖を誘導するIL-9においては、リコピン食餌により大腸粘膜の肥満細胞数が有意に減少していることも明らかになった。この成果から、市場に出回っている多くの一般的な食品に存在する、リコピンが制御性T細胞分化を誘導し、食物アレルギー症状を抑制する可能性があることが示された。制御性T細胞は食物アレルギー疾患のみならず、多くの自己免疫疾患に関与することが知られているため、リコピンを用いた食物アレルギー疾患予防・治療だけでなく、その他の多くの自己免疫疾患に対する治療戦略構築に対して有用な情報となることが期待される。
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