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2021/12/22
大阪大学
大阪大学蛋白質研究所の古川貴久教授と茶屋太郎准教授の研究グループは、専修大学人間科学部心理学科の石金浩史教授、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの奥崎大介特任准教授(常勤)、微生物病研究所の元岡大祐助教の研究グループと共同で、自閉スペクトラム症や学習障害をはじめとした発達障害に関連する遺伝子の欠損により、網膜・視覚機能が異常を示すことを明らかにした。注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)といった発達障害は近年増加していることが世界的に報告されているが、発達障害の原因は未だ解明されていない。また、発達障害のある人は高頻度で感覚の異常(感覚過敏や感覚鈍麻)が症状として顕れることが知られているが、その原因やメカニズムはほとんど明らかになっていない。研究では、発達障害関連遺伝子であるCYFIP2遺伝子を網膜において欠損させたマウスを作製し解析したところ、このマウスにおいて網膜と個体の視覚機能に異常が見られた。このことから、人におけるCYFIP2遺伝子の変異と関連する視覚異常のメカニズムが明らかになったことで、発達障害でしばしば見られる視覚異常の少なくとも一部は網膜の神経回路の変化に起因することが示唆された。本研究は、発達障害の診断法や治療法の開発につながると期待されるだけでなく、発達障害で見られる感覚異常のメカニズム解明に向けて脳だけでなく網膜などの感覚器にも着目するという、今後の研究の方向性を示すものとなった。
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