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2021/10/6
東北大学
東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野の香取幸夫教授らのグループは、咽頭や食道に魚の骨が刺さってしまう疾患「魚骨異物」の患者を調査し、その臨床的特徴を明らかにした。グループは、魚骨異物疑いで東北大学病院を受診した患者のうち、医師が異物を確認した270例を対象とし、年齢・性別・原因となった魚の種類・刺入した部位・自然脱落の有無・摘出方法などを調べた。その結果、年齢は乳幼児が最も多く、0〜4歳が全体の25.9%を占めていた。骨が刺さっていた部分は口蓋垂(のどちんこ)から舌根にかけての中咽頭領域が87.4%と大多数を占め、特に口蓋扁桃(扁桃腺)に刺さっている症例が多かった。魚の種類はウナギの仲間(ウナギ34例・アナゴ3例・ハモ2例)が14.4%と最も多く、サバ12.2%(33例)、サーモン12.2%(33例)、アジ11.1%(30例)、カレイの仲間11.1%(カレイ28例・ヒラメ2例)が続いた。270例のうち、12.2%(30例)は診察中に骨が自然に脱落しており、残り240例の摘出術の内訳は、54.6%(131例)が口腔から直接摘出、42.9%(103例)が内視鏡下での摘出手術、2.5%(6例)が全身麻酔下の手術であった。12歳以下の小児例は139例で、中咽頭領域に骨が刺さっていた症例が99.3%(138例)を占め、内視鏡下摘出術を要した症例は22.3%(31例)であった。また、カレイ・ヒラメの骨は下咽頭や食道に骨が刺さる頻度が高く(30%)、自然に脱落することが少なく(9.1%)、内視鏡下摘出術や全身麻酔下での手術が必要になる症例が多い(65.5%)ことが判明した。これらの結果は、非常に一般的な疾患でありながらその詳細が調査されてこなかった魚骨異物の特徴を明らかにした重要な報告で、今後の診療に生かされることが期待される。
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