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2021/6/16
東北大学
東北大学学際科学フロンティア研究所の市川幸平助教らは、超巨大ブラックホールから3000光年離れたガスの輝きを使うことで過去の超巨大ブラックホールの活動を捉え、約3000年前は活動的だったものの、現在は活動を止めて最期を迎えた超巨大ブラックホールを発見した。宇宙には数多くの銀河が存在し、その銀河の中心には太陽の質量の100万倍から100億倍にも及ぶ超巨大ブラックホールが存在することが知られているが、超巨大ブラックホールがどのようにして誕生して成長し、そして成長を止めて終焉を迎えるのかは未だに分かっておらず、天文学が解くべき謎の一つとされている。研究では、Arp187という天体に着目。活動銀河核が作るおよそ3000光年にもおよぶ電離領域を「鏡」として利用することで、3000年ほど遅れて地球に届いた過去の活動銀河核の光度を見積もった。さらにNASAのNuSTAR衛星によるX線観測から得られた現在の光度との比較を行った結果、活動銀河核の光度が、この3000年程度で1/1000以下に暗くなったことが明らかになり、活動銀河核が死につつある瞬間を捉えることに成功した。市川教授は今後も同様の手法を用いて、死につつある活動銀河核をより多く探査することを検討しており、超巨大ブラックホール周辺の分子ガス分布の調査を通じて、超巨大ブラックホールの最期がどのような環境なのかを明らかにしていく予定とのこと。
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