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2018/5/16
東北大学
東北大学大学院環境科学研究科の佐野大輔准教授は、同大学大学院工学研究科、北海道大学、愛媛大学、長崎大学、北里大学と共同で、塩素による消毒処理がノロウイルスに対する淘汰圧として作用することを世界で初めて証明した。公衆衛生環境が改善している先進諸国では、コレラや赤痢といった水系感染症はほぼ克服されているが、ノロウイルスによる感染症は制御不可能で、その蔓延理由の解明や対抗策が求められている。研究では遊離塩素による繰り返し曝露実験により、浄水処理や下水処理に用いられる塩素消毒がノロウイルスの進化に影響を与えることを証明。ノロウイルスはトイレからの汚水に多く含まれていることから、下水処理場、浄化槽及び集落排水処理施設などで処理水を十分に消毒することで、水を介したノロウイルスの感染を防ぐほか、遺伝的な多様性を低下させて新型の出現確率を下げることが可能となる。またこの成果は、適切な汚水処理施設が普及していない途上国が新型ノロウイルスの出現現場となっていることを示唆しており、汚水処理施設の全世界的な普及に積極的に取り組むことで、新型ノロウイルスの出現を防ぐ効果が見込まれるとしている。
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