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2017/11/15
東北大学
東北大学大学院理学研究科地学専攻・海保邦夫教授と、気象庁気象研究所・大島長主任研究官は、地球への小惑星衝突によって生じる大量絶滅は、小惑星が衝突する場所に起因するという考察を発表した。同グループは、約6600万年前の白亜紀末に小惑星が地球に衝突して大量絶滅した要因は、小惑星が堆積岩中の有機物を熱し、それによりすすが生成されたことにあると2016年7月に発表。成層圏中に放出されたすすが地球全体を取り巻くことで、地上や海上に届く太陽光を遮り、地上気温と海水温の低下、低緯度での干ばつを引き起こし、恐竜やアンモナイトなどが絶滅したとしている。その後、すすの元である堆積岩中の有機物量が大量絶滅の決め手になると考え、当時の堆積岩中の有機物量の地球上の分布を調査。その結果、有機物量が多いのは海の縁辺域の狭い領域に限られていた。また、気象研究所の気象モデルによる計算を実施したところ、海の縁辺域の狭い領域に小惑星が衝突した場合は大量のすすが生成され、地球全体の月平均気温で最大 8°Cから 11°C程度の低下が起き、大量絶滅を引き起こしたと結論づけた。同時に、小惑星が衝突した場所の有機物量が少なければ、大量絶滅の発生率は低かったことも示唆している。今回の研究では、小惑星衝突による大量絶滅は必ず起きるものではないことを示したほか、気候モデルに関して多くの知見が得られており、大規模火山噴火が起こった際の気候影響評価に活用できると期待される。
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