明治大学の総合型選抜入試|出願条件・倍率・入試対策を解説

明治大学は1920年(大正9年)に大学となった、歴史ある学校です。前身は明治法律学校といい、法学のプロフェッショナルを多数輩出してきました。いまも、法曹界では多くの明治大学出身者が活躍しています。
大らかな雰囲気や多様な学びの環境が人気を集め、現在は国内有数規模の大学に成長。先進的かつアカデミックな雰囲気のキャンパスに、憧れを抱く受験生も多いのではないでしょうか。

今回は、明治大学の入試方式の1つである総合型選抜を解説します。総合型選抜は受験生の個性で戦える入試方式とあって、毎年多くの受験生が挑戦しています。本記事では、明治大学の総合型選抜の出願条件や日程、競争率、合格に向けた対策法を詳しく解説します。明治大学の総合型選抜を志望する高校生は、ぜひ参考にしてください。

※本内容は、明治大学公表の情報をもとに掲載しています。入試関連情報は一部予定を含んでいる場合もありますので、必ず最新の大学発行の入試要項等でご確認ください。

明治大学の総合型選抜の概要

はじめに、明治大学の総合型選抜について、概要を解説します。総合型選抜の種類と求める人材像、日程を正しく押さえましょう。

明治大学の総合型選抜は全部で6種類


明治大学の総合型選抜は、以下の6種類が実施されています。

・自己推薦特別入学試験
・公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用)
・公募制特別入学試験 (全国商業高等学校長協会 会員校対象)
・地域農業振興特別入学試験
・アドミッションズ・オフィス (AO)入学試験
・グローバル型特別入学試験


それぞれ、実施学部や入試の目的が異なります。志望学部はどの入試を実施しているのか、また自分は出願要件に該当するか、詳細に確認してください。

次項から、それぞれの方式を実施する学部と、目的を解説します。

自己推薦特別入学試験


自己推薦特別入学試験を実施する学部は、以下の4つです。

・文学部
・農学部
・国際日本学部
・総合数理学部


自己推薦特別入学試験は、高校時代に学習や活動に真摯に取り組み、基礎学力を十分に身につけ、その素地を生かして大学で貪欲に学び、将来の活躍を志す受験生を選抜する目的で実施されています。
高校時代の学習状況を重視する方式のため、出願には一定以上(学部によって異なる)の評定平均が必要です。また、高校での科目履修状況に条件をつける学部もあります。

公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用)


公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用)は、商学部のみが実施します。商学分野で活躍できる、専門知識を身につけた人材の育成を目指しており、大学での学びに必要な学力や資格が出願条件に指定されます。
大学入学共通テストの受験が必須で、共通テストの結果は合否判定に用いられます。そのため、総合型選抜にしては遅い時期といえる、2月に合否が発表されます。

公募制特別入学試験 (全国商業高等学校長協会 会員校対象)


公募制特別入学試験 (全国商業高等学校長協会 会員校対象)も、商学部のみが実施する総合型選抜です。全国商業高等学校長協会の会員校を卒業見込みの高校生が対象で、商学についてより深く学び、将来の活躍が見込まれる人材の育成を目指しています。
商業関係の検定取得や評定平均など、出願条件は多岐に渡ります。また、許容される高校の欠席日数も指定されるため、注意してください。

地域農業振興特別入学試験


地域農業振興特別入学試験は、農学部の食料環境政策学科のみが実施します。地方の農業振興を担うリーダーを選抜し育成するための入試で、地域農業に対する強い思いや、地域農業振興の具体的なプランとその根拠を重視します。
評定平均や資格試験の取得状況といった出願条件は、ありません。

アドミッションズ・オフィス (AO)入学試験


アドミッションズ・オフィス (AO)入学試験は、理工学部が実施します。IT化・グローバル化が進み、高度な情報化社会となった現代において、新しい科学技術の芽を探し、育て、花開かせることができる人材の選抜を目指します。
選考では、基礎学力とともに、目的意識や適性、コミュニケーション能力などが審査されます。

グローバル型特別入学試験


グローバル型特別入学試験は、政治経済学部が実施します。国際社会の多様な分野で、リーダーシップを発揮し活躍できる人材の選抜が目的です。高度な語学力や高い意識、柔軟な思考力を持つ受験生を選抜します。
出願には、指定の外国語検定試験の基準を満たしていることが条件となります。

明治大学が求める人材


明治大学は「権利自由,独立自治」を建学の精神とします。学生一人ひとりが「個」を確立し、自分の使命や役割を世界的視野で考え、周りと協働しながら高みを目指す、リベラルな雰囲気に満ちた大学です。
受験生には、高校で十分に研鑽を積み、確かな基礎学力を身につけていることが求められます。総合型選抜でも、基礎学力や評定平均は重視されます。明治大学の総合型選抜を志望する高校生は、早い段階から高校での学習に力を入れておきましょう。

明治大学の総合型選抜の入試・合格発表日程


明治大学の総合型選抜の実施日程は、以下の通りです。なお、日程は2025年度入試のものです。

方式 実施学部 一次選考 一次選考合格発表 二次選考 二次選考合格発表
自己推薦特別入学試験 書類選考 10月23日(水) 11月16日(土) 11月20日(水)
国際日本 書類選考 11月18日(月) 11月30日(土) 12月10日(火)
書類選考 9月26日(木) 10月12日(土) 11月5日(火)
総合数理 書類選考 10月15日(火) 11月9日(土) 11月18日(月)
公募制特別入学試験
(共テ利用)
共通テスト:2025年1月18日(土)・19日(日)
合格発表:2025年2月13日(木)
公募制特別入学試験
(会員校)
11月30日(土) 12月5日(木)
地域農業振興特別入学試験 農・食料環境政策 9月26日(木) 10月19日(土) 11月5日(火)
アドミッションズ・オフィス(AO)入学試験 理工 10月26日(土) 11月19日(火)
グローバル型特別入学試験 政治経済 10月5日(土) 11月5日(火)

明治大学の総合型選抜 出願条件と選抜方法

明治大学の総合型選抜は、方式・学部によって、出願条件が異なります。評定平均の規定を設けるケースや、英語等の資格試験取得を指定するケースも見られます。
方式別に、出願できる条件と選抜方法をまとめました。自分が条件を満たしているか、確認してみてください。

※ 以下には、国内の高校を卒業見込みの高校生を対象とした出願条件を記載しています。

自己推薦特別入学試験


自己推薦特別入学試験に出願できる受験生の条件と選抜方法を、学部別にまとめます。

文学部


文学部の自己推薦特別入学試験へ出願する条件は、以下の通りです。

・評定平均が3.5 以上
・正規授業のほかの自主的でユニークな学習・活動で、優れた能力を発揮した経験を持つ
史学地理学科は高校での科目履修指定あり(下表)

専攻 履修が必要な科目
日本史学 日本史探究 or 世界史探究、それらに準じる科目を3単位以上
アジア史 世界史探究、それに準じる科目を3単位以上
西洋史学 世界史探究、それに準じる科目を3単位以上
英語の評定平均が4.0以上
地理学 地理探究、それに準じる科目を3単位以上
「自主的でユニークな活動」の出願条件では、英語関連の資格試験取得もアピールできます。また、要項には自己アピールの具体例も記載されています。参考にしてください。

選考は、2段階で行われます。
まず、書類選考が第一次選考です。出願書類をもとに、第一次選考合格者が選抜されます。
第二次選考は、第一次選考の合格者のみに実施されます。内容は、小論文と口頭試問です。口頭試問の会場に、追加資料は持ち込めません。資料がなくても対応できるよう、十分に準備しておきましょう。

国際日本学部


国際日本学部の自己推薦特別入学試験へ出願する条件は、以下の通りです。

・評定平均が4.0以上
基準を満たす英語資格・検定試験を取得していること
・指定の実績を持つ者

国際日本学部の出願条件である、英語の資格試験基準は、以下の通りです。

試験の種類 出願に必要な等級またはスコア基準
実用英語技能検定(英検) 準1級以上
TEAP(4技能パターン) 309以上
TOEFL iBT 72以上
IELTS(アカデミック・モジュール) 5.5以上
TOEIC L&R&TOEIC S&W L&Rで785以上かつS&Wで310以上
GTEC(CBT) 1180以上
ケンブリッジ英語検定 160以上
※ 不可とされる検定タイプもあります。詳しくは要項でご確認ください。

また「指定の実績」は、以下のいずれかです。
(1) 都道府県以上の大会・コンク−ル・展覧会などにおいて優秀な成績を収めた者
(2) 生徒会活動においてめざましい活躍をした者
(3) 資格(英語以外の語学検定や国家資格など)を有する者
(4) 学校外での諸活動(クラブ活動・ボランティア活動など)においてめざましい活躍をした者
(5) その他、 国内もしくは国外における優れた活動実績を有する者

選考は、2段階で行われます。
第一次選考は、提出書類に基づく書類選考です。第一次選考を通過した受験生のみが第二次選考に進みます。
第二次選考では、小論文(60分)と口頭試問(20分)が実施されます。

農学部


農学部の自己推薦特別入学試験へ出願する条件は、以下の通りです。

・評定平均が規定以上(下表)

学科 出願条件(いずれか一方)
・評定平均4.0以上
・評定平均3.5以上、学業以外に優れた活動歴がある
農芸化学 ・評定平均4.3以上
・評定平均4.0以上、学業以外に優れた活動歴がある
生命科 ・評定平均4.0以上
・評定平均3.5以上、学業以外に優れた活動歴がある
食料環境政策 ・評定平均4.0以上
・評定平均3.5以上、学業以外に優れた活動歴がある
学業以外の優れた活動歴とは、具体的・客観的に証明できる資料を添付できる実績を指します。研究発表や資格検定などと考えてください。なお、スポーツの実績は対象外です。

選考は、第一次選考・第二次選考の2段階です。
第一次選考は、提出書類に基づく書類選考です。第一次選考を通過した受験生のみが第二次選考に進みます。
第二次選考では、特別講義を受講し、内容に関する筆記試験が実施されます。また、その後、個別に面接に臨むことになります。

総合数理学部


総合数理学部の自己推薦特別入学試験へ出願する条件は、以下の通りです。

◎ 現象数理学科
・評定平均4.0以上
高校で数学T、U、Vおよび、数学A、B、 Cを履修している

◎ 先端メディアサイエンス学科
独自に考えたコンピュータプログラムを作成した経験があり、かつ内容を第三者に説明できる

選考は、2段階で実施されます。
第一次選考は、提出書類に基づく書類選考です。第一次選考を通過した受験生のみが第二次選考に進みます。第二次選考の内容は、以下の通りです。

◎ 現象数理学科
・数学の学力考査(90 分)
・口頭試問(20 分)


◎ 先端メディアサイエンス学科
・数学確認テスト(60 分)
・作成したコンピュータプログラムのプレゼンテーション(5 分)
・口頭試問(15 分)
※ プログラムのプレゼンテーションに備え、ソースコードとPCの持ち込みが推奨されています。ただし、インターネット環境は利用できません。

公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用)


商学部が実施する公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用)の出願条件は、以下の通りです。

部門 出願条件
商業部門 高校で教科「商業」、もしくは類する科目を20単位以上修得
日本商工会議所主催の簿記検定試験2級以上に合格
留学部門 高校在籍中に留学経験がある
教科「留学」を30単位以上、認定されている
TOEFL 利用部門 出願から2年以内にTOEFL iBTテストを受験しており、スコア証明を提出できる
国際バカロレア認定部門 国際バカロレア(IB)認定校を卒業見込みである
ディプロマ・プログラム(DP)を学習している
公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用)は、大学入学共通テストの成績と提出書類を総合的に評価し、合否が決まります。なお、部門によって共通テストで受験すべき教科・科目が指定されます。詳しくは要項をご覧ください。

公募制特別入学試験 (全国商業高等学校長協会 会員校対象)


公募制特別入学試験 (全国商業高等学校長協会 会員校対象)に出願するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

(1) 全国商業高等学校協会主催の検定試験 1 級を 6 種目以上合格
(2) 実用英語技能検定準 2 級以上に合格
(3) 日本商工会議所主催の簿記検定試験2 級以上に合格
(4) 評定平均が4.2 以上
(5) 高校3年の 1 学期(または前期)までの欠席日数が 10 日以内
(6) 教科「商業」または類する教科・科目を学び、大学入学後の学びに強い意欲を持つ者

選考は、11月末に実施されます。専門教育に関連する基礎学力や、商業に関連する事項、志望理由等を中心とした口頭試問です。

地域農業振興特別入学試験


地域農業振興特別入学試験に出願するためには、地域農業振興への深い関心と、将来は「地域の農業振興を担うリーダーとして活躍したい」との志を持つ受験生なら、誰でも出願できます。

選考は、2段階で実施されます。まず、提出した書類に基づく書類選考が第一次選考。第一次選考の合格者を対象に、第二次選考が実施されます。第二次選考では、事前に提出した「地域農業に関する事前課題」について、プレゼンテーションと面接を行います。

アドミッションズ・オフィス (AO)入学試験


理工学部が実施するアドミッションズ・オフィス (AO)入学試験は、学科によって、「高校卒業見込み」以外の条件を定めます。これを「出願資格2」といいます。ちなみに、出願資格1は「高校卒業見込み」で満たせます。

出願資格2を設ける学科・専攻は、以下の通りです。

学科 出願資格2の内容
機械情報工 ・数学・理科・英語 3 教科の評定平均が3.8以上
・数学I、II、III、A、B、Cを履修済み
・「物理基礎・物理・化学基礎・化学」から3科目を履修済み
・英語を履修している
建築 ・数学・理科・英語 3 教科の評定平均が3.8以上
・数学I、II、III、A、B、Cを履修済み
・「物理基礎・物理・化学基礎・化学」から2科目を履修済み
・英語を履修している
応用化 ・数学・理科・英語 3 教科の評定平均が4.0以上
・数学I、II、III、A、B、Cを履修済み
・「化学基礎・化学」の2科目を履修済み
・英語を履修している
選考方法は、以下の通りです。

学科 選考方法
電気電子生命 出願書類、学力考査、口頭試問
※ 学力考査:数学と英語
機械情報工 出願書類、口頭試問
※口頭試問:指定する実験についてのプレゼンテーションを含む
建築 出願書類、成果物、造形による試験、プレゼンテーション、口頭試問
※成果物:建築を学ぶ際に有用な個性や能力を示すもの
※造形による試験:スケッチ、デッサン、立体造形など
プレゼンテーション:成果物に関して発表
応用化 出願書類、口頭試問
※ 口頭試問:化学に関する基礎学力を問う内容を含む

グローバル型特別入学試験


政治経済学部が実施するグローバル型特別入学試験に出願するためには、規定以上の外国語検定試験を取得している必要があります。また、証明書類は提出期限から2年以内のものでなければなりません。

言語 資格試験 スコア
英語 IELTS[Academic Module] 6.0以上
TOEFL iBT 68点以上
TOEIC[L & R] 680点以上
TOEIC[4技能] 950点以上
TEAP[4技能] 285点以上
ケンブリッジ英語検定 153点以上
国連英検 B級以上
実用英語技能検定 準1級以上
ドイツ語 Goethe-Institut 統一試験 Goethe-Zertifikat B1 以上の級において総合点 6 割以上
フランス語 DELF・DALF 試験 DELF B1 以上の級に合格
中国語 HSK 筆記試験 3 級以上の級において総合点 6 割以上
かつ、口頭試験中級以上の級において 6 割以上
選考内容は、総合試験と口頭試問です。総合試験とは、日本語で解答する試験で、与えられた資料をもとに問題に取り組みます。

明治大学の総合型選抜の募集人員と倍率、合格率

明治大学の総合型選抜の募集人員や倍率が気になる高校生も、多いのではないでしょうか。
ただ実は、明治大学は、総合型選抜の入試結果を公表していません。そこで参考値として、一般選抜の結果を紹介します。
※ 明治大学の倍率の全体像がわかるように、総合型選抜を実施していない学部のデータもまとめます。

まず、2025年度入試での、総合型選抜の募集人員は、下表の通りです。狭き門であることがわかります。

方式 実施学部 学科 専攻 募集人員
自己推薦特別入学試験 日本文学 3名
英米文学 4名
ドイツ文学 2名
フランス文学 5名
演劇学 5名
文芸メディア 3名
史学地理 日本史学 3名
アジア史 2名
西洋史学 2名
考古学 2名
地理学 2名
心理社会 臨床心理学 2名
現代社会学 3名
哲学 2名
国際日本 国際日本 12名
10名
農芸化 10名
生命科 10名
食料環境政策 10名
総合数理 現象数理 3名
先端メディアサイエンス 5名
公募制特別入学試験 (共テ利用) 商業部門 15名
留学部門 8名
TOEFL利用部門 12名
国際バカロレア認定部門 5名
公募制特別入学試験(会員校) 25名
地域農業振興特別入学試験 食料環境政策 9名
アドミッションズ・オフィス(AO)入学試験 理工 電気電子生命 電気電子工 7名
生命理工 2名
機 械 情 報 工 4名
建築 5名
応用化 4名
グローバル型特別入学試験 政治経済 政治 10名
経済 20名
地域行政 5名
続いて、明治大学の一般選抜入試結果を表にしました。2024年度入試から、過去3年分を学部ごとにまとめています。

<明治大学 一般選抜入試結果>
学部 受験者数 合格者数 倍率(受験者数/合格者数)
2024 2023 2022 2024 2023 2022 2024 2023 2022
3,283 3,637 3,996 771 1,027 844 4.3 3.5 4.7
8,085 8,289 7,462 1,474 1,664 1,778 5.5 5.0 4.2
政治経済 5,351 6,255 5,372 1,813 1,814 2,026 3.0 3.4 2.7
6,725 6,054 6,092 1,212 1,415 1,470 5.5 4.3 4.1
理工 9,667 8,857 8,731 2,815 2,777 2,786 3.4 3.2 3.1
4,006 3,816 3,552 910 1,028 1,064 4.4 3.7 3.3
経営 7,178 7,474 6,368 1,521 1,840 1,734 4.7 4.1 3.7
情報コミュニケーション 4,855 4,741 4,741 971 1,005 1,078 5.0 4.7 4.4
国際日本 3,156 3,530 3,811 1,090 1,181 1,345 2.9 3.0 2.8
総合数理 1,663 1,783 1,737 289 234 253 5.8 7.6 6.9
(参考)入試データ|明治大学

明治大学は、毎年のように「志願者の多い大学」として話題になります。2024年度入試の志願者数は10万9,159人で、全国の私立大学中3位の多さでした。10万人以上の志願者がひしめき、実際に受験する生徒の数も相当数に上る入試は、日本有数の規模。総合型選抜も、高い競争率を覚悟して臨んだほうが良いでしょう。

明治大学の総合型選抜における注意点

明治大学の総合型選抜に出願を検討する高校生が、押さえておきたい注意点を3つ解説します。

出願に必要な評定平均について


先に解説した通り、出願にあたって一定以上の評定平均を求める総合型選抜の方式があります。評定平均とは、高校での学習成績です。5段階でつけられ、5に近い方が高評価です。
明治大学の総合型選抜では、高校3年1学期までの成績が対象です(2期制の場合は、前期までの成績)。
評定平均が必要な方式に出願する場合、事前に自分が基準を満たしているか確認しておくことが大切です。評定平均がわからない場合は、担任の先生に問い合わせてください。

他学部・他大学との併願について


明治大学の総合型選抜は、他学部や他大学との併願は可能です。
ただし、以下の方式は「併願は可能だが、合格した場合は入学することが条件である」と明言しています。

・自己推薦特別入試(文学部、農学部、国際日本学部、総合数理学部)
・アドミッションズ・オフィス入試(理工学部)
・地域農業振興特別入試(農学部)


上記3つの方式に出願する場合は、明治大学より志望度の高い大学の総合型選抜は併願しないようにしましょう。

また、書類選考や面接では、志望の動機や熱意も問われます。併願できるからといって、中途半端な気持ちで受験しては、合格を引き寄せられません。
あくまで「明治大学が第一志望」という強い気持ちを持ち、受験に臨むことが大切です。

なお、総合型選抜と一般選抜の併願は、問題ありません。

合格可能性について


総合型選抜は一般入試同様に、不合格になる可能性もある入試方式です。明治大学の一般入試受験者数は国内最大規模となり、当然、総合型選抜にもかなりの数の受験生が集まると考えられます。
さらに受験生は皆、明治大学のハイレベルな出願基準をクリアしているという事実も押さえましょう。「評定平均4.0以上」「英検®準1級取得」といった強者が、凌ぎを削るのが明治大学の総合型選抜です。

もちろん、「合格」が欲しい結果です。ただ、総合型選抜は不合格の可能性もある入試方式であることを忘れず、万一の結果に備えて、一般入試対策も同時進行しておきましょう。

明治大学の総合型選抜に合格する対策

明治大学の総合型選抜で、合格の可能性を高める対策を、3つ紹介します。今日からできる対策もあります。憧れの明治大学生になる日を夢見ながら、ぜひ挑戦してみてください。

明治大学の総合型選抜に合格する対策3つあります。それぞれ、詳しく見てみましょう。

高校での評定平均を上げる努力を重ねる


明治大学の総合型選抜では、ほとんどの方式で評定平均の基準を設けています。さらに、求められる基準は3.5〜4.0以上と高めです。
まず、評定が低いと、そもそも出願できないことを、押さえてください。明治大学の総合型選抜を志望する高校生は、何よりも最初に評定平均を上げる努力をし、出願条件を満たすことが大切です。

評定は、定期テストの成績を上げると、高くなりやすいといわれます。早い段階から高校の勉強に力を入れ、着実に結果を出す取り組みを進めておきましょう。

大学が受験生に求める資質を理解し、入念に準備する


総合型選抜は、ペーパーテストでは測れない受験生の資質を確認し、大学が求める人材像(アドミッションポリシー)に合致する受験生を選抜する入試方式です。
また、選考の場でも、志望理由や大学入学後の希望を問われます。
総合型選抜を受験する以上、まず、大学・学部のアドミッションポリシーをしっかり理解しましょう。

アドミッションポリシーを理解し、自分とのマッチングを確認したら、総合型選抜の準備を始めます。ただし、明治大学の総合型選抜は、付け焼刃の知識やテクニックでは対応できません。志望学部に関する領域に関心を寄せ、問題意識を持ち、自分の頭で考える癖をつけてください。

選抜本番に向けて、アウトプット力を高める


明治大学の総合型選抜では、面接や小論文、講義を受講してのテスト、口頭試問、プレゼンテーションなど、バリエーション豊富な選抜方法が採られています。
ただ、一貫しているのは、大学側は受験生の思考力や表現力、判断力、そして何より熱意や経験を見ている、ということ。こうした要素は、受験生に考えを適切にまとめ、相手にわかりやすく伝える力があって、はじめて評価されます。
志望学部の選考形態に合わせ、論理的にアウトプットできる力を育てるトレーニングを重ねましょう。「学校や塾の先生を相手に、問題の解き方を説明する」「友達と、どちらがわかりやすく事象を解説できるか競争する」など、少しの工夫でアウトプット力は伸びていきます。

明治大学に総合型選抜で合格しやすい受験生のタイプ

明治大学の総合型選抜に合格しやすい受験生のタイプは、3つあります。それぞれ、詳しく見てみましょう。

明治大学に総合型選抜で合格しやすい受験生のタイプ

高いレベルの英語力を持つ受験生


明治大学の総合型選抜には、出願資格として英語の資格試験取得を設定する方式もあります。また、大学としても英語教育やグローバルリーダーの育成に力を入れており、学部生のうちに利用できる留学制度も充実しています。
こうした大学の背景を考えると、受験時点で高い英語力を持つ受験生は有利だと考えられます。実際、英語力はアピールポイントになり、他の受験生と差をつけるポイントになり得ます。

コミュニケーション力が高く、自らの言葉で表現できる受験生


明治大学の総合型選抜は、どの方式も面接や口頭試問といった、「対面でのコミュニケーション」を使った選考が実施されます。さらに、ただ発表するだけでなく、面接官を相手に、「自分の考えを、自分の言葉で、論理的かつ明瞭に伝えるスキル」が求められます。
本番、緊張する中でも、準備の成果を発揮し、ロジカルに伝えられる受験生は、周りを圧倒し、合格の可能性を高められるでしょう。
まだ力が不足しているかなと感じたら、次の2つのコツを踏まえ、論理的に考え表現するスキルを伸ばしていきましょう。

・語彙を増やす
→現代文の用語集がおすすめ。思考を適切な言葉で言語化できるようになる
・発表や表現の機会を積極的につくる
→クラスや生徒会での発言、毎日の日記などでOK。覚えた言葉をアウトプットしていくと、自分のものにできる

学部での学びに明確な目的意識があり、努力できる受験生


明治大学の総合型選抜は、高校時代に基礎学力を十分に身につけつつ、多様な経験を有し、かつ入学後の学びに高い意欲を持つ受験生を待ち望んでいます。典型的な例は、地域農業振興特別入学試験でしょう。評定平均や英語の資格試験は問わない一方で、学部の主要なテーマである地域農業や農村の発展に関する、熱い思いと具体的なプランを要求します。
他の方式でも、面接や口頭試問で、入学後の学びに関して問われることは必至です。自分は入学後に、その学部で何を学び、将来どのように生かしたいのか。この問いに、自分の言葉で答えられるよう準備できた受験生は、合格を手にできる可能性が高まります。もちろん、学びのための努力を惜しまない姿勢を持つ受験生も、評価されます。

明治大学の魅力

明治大学は、国内トップクラスの大規模な大学です。在籍する学生数は、毎年ランキングでトップ5に入るほど。受験生からの人気も高く、受験者数ランキングでも毎年、トップ5に名前が登場します。

明治大学の魅力は、「自立した雰囲気」にあるといわれます。建学の精神「権利自由」「独立自治」がいまもキャンパスに根付き、学生一人ひとりの「個」を大切にし、伸ばす教育が実践されています。

近年は、グローバル課題に果敢に取り組む人材の育成という側面からも、注目を集めるようになりました。自立心が育ち、国際的な視野も広げられる明治大学なら、きっとこれからの時代に求められる人材スキルを修得できます。期待通りの高度な学びを得られる環境が揃った大学、それが明治大学です。

最新の大学案内・募集要項を必ず入手する

大学受験は、最新かつ正確な情報を手にすることが、合格への第一歩です。出願条件が細かく、高い競争率となる明治大学の総合型選抜を勝ち抜くためには、まず大学が求める人物像や大学で学べることなどを押さえる必要があります。

最新の大学案内パンフレットで詳細に確認し、募集要項も取り寄せて熟読しておきましょう。情報収集こそが、合格対策への第一歩です。

明治大学の資料はここから請求できます。

(※送料は請求者負担となります。)

まとめ

明治大学は、個の強みを生かす教育と、自由な雰囲気で人気がある大学です。通う学生も多く、多様な仲間と出会い、充実した大学生活を送れるでしょう。
明治大学の総合型選抜に合格するためには、入念な事前準備、そして合格できるだけのスキル養成が欠かせません。まずはキャリタス進学で、明治大学の情報を集めてみませんか。憧れの明治大学生になるその日を、心から応援しています。

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執筆者名:塾探しの窓口 編集部
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