2020年大学入試改革で、近未来社会が求める人物像が変わる。 2018年受験の傾向

2018年度入試、人気の傾向

文科系では国際関係、理科系では電気・電子・情報系が人気

果敢にチャレンジしてほしいメディカル系   来年度の入試を系統別にみると、文科系の人気が高いとみています。中でも経済・経営・商学部系と国際関係系。国際関係はグローバル系ですね。外国語学部ではなくて国際系です。反対に、理科系は全般的に人気が薄い。その中で人気があるのはモノづくり関係の学部、工学部です。工学部の中でも、電気・電子・情報系でしょう。ICT、IoT、AIといった最先端を学べますし、話題も多いですね。土木・建築系も相変わらず人気があります。東京オリンピック・パラリンピックの影響もあると思いますが、それよりも、インフラの再構築でしょう。例えば首都高速道路の都心環状線でも、橋脚がだいぶ傷んでいます。そうしたインフラを今後、全国で修理していかなければなりません。また、新しい都市計画というのも出てくるでしょう。地方都市では、居住地が散在していることが多く、行政の効率が悪くなっていますから。

果敢にチャレンジしてほしいメディカル系

  比較的入りやすくなってきたのがメディカル系です。医学部や薬学部を狙っている人は果敢にチャレンジしてほしいですね。首都圏の受験生についていえば、地方大学の医学部には地域枠といって地方優先枠があるので、ちょっと狙いにくくなったのも大きいと思います。そこに、ここ2年連続で私立の医学部が宮城・仙台と千葉・成田に開学したので、ちょっと間口が広くなっていますから、今がチャンスです。受験生の流れを分析すると、都市部では、東京・大阪・名古屋の三大都市圏間の流動性は高くなっています。それ以外の地方では地元志向が強いと思います。

志望校選びのポイント

自分で大学へ足を運び、「印象」をチェックしよう

自分で大学へ足を運び、「印象」をチェックしよう   これから勉強をする一方で、高校生の皆さんは自分が行きたい大学・学部を決めていくことになります。オープンキャンパスや先輩の話を聞いて、その大学が自分にあっているかどうかと考えていく。その際に大事にしてもらいたいと私が考えるのは、「印象」です。オープンキャンパスなどに参加して、そこで模擬授業を受けたり研究の紹介などを見聞きしたりして、自分が思っていたイメージとあっているかどうか、というところですね。私がお勧めしたいのは、もし時間がつくれるようなら、平日の昼休み時間帯に大学の学食に行くこと。椅子に座って学生たちの雰囲気を見たら、自分にあうかどうかが、すぐわかりますよ。大学のカラーって、学校によって全然違います。印刷物やウェブからの情報ではまったくわからないことです。

やりたいことが見つからないなら、「今、興味あること」を大切に

  自分はどんなことに興味があるかわからない人もいますね。でも、あまり深く考えず、「今、興味をもっていること」でいいのではないかと思います。残念なことかもしれませんが、社会人のうち、本当に自分の好きな仕事をやっている人って少ないでしょう。医師や弁護士、教師、公認会計士など師・士の付く仕事は大学の勉強と直結しますが、それ以外の仕事は必ずしも直結しないのが現実です。だから大学で勉強したり研究したり発表したりするプロセスが社会に役立つと考えればいいと思います。大学は、皆さんが高校まで蓄えてきた知識や思考力を、もう1回、ランクアップさせるための場所です。ですから、自分がやりたいこと、好きなことをさらに磨いていける環境かどうかが大事なんです。

<取材日:2017年7月19日>

駿台教育研究所進学情報事業部長 石原賢一氏

石原賢一(いしはら・けんいち)
駿台教育研究所進学情報事業部長。
駿台予備学校に入職後、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て、06より現職。