実力を点数に替える
受験勉強の開始時期から直前期までは、実力をつけるための時間です。しかし直前期から試験当日までは、実力を鍛えるだけでは不十分。本番の緊張感の中で、実力をどれだけ点数に替えることができるか、という勝負になります。実は、「実力を点数に替える力」を伸ばすことは、それほど困難ではありません。本番のイメージをリアルに描き、不安要素を書き出しておくだけで、試験の結果は大きく変わってくるでしょう。
綿密なイメージトレーニングが鍵
人は初めての体験をするとき、どうしても不安を感じてしまうものです。不安を取り除くためには、事前のイメージトレーニングがとても有効。当日、試験会場に向かう場面や、試験スタートの瞬間、休憩時間の使い方など、できる限り綿密に頭の中でリハーサルをすることです。過去問をもとに、設問を解く順番や時間配分も決めておきましょう。本番は描いたイメージをなぞるだけ。そう考えれば気持ちが安定し、試験に集中できるはずです。
不安要素は書き出しておく
本番の不安を少しでも減らすために、あらゆる失敗を想定して、対処法を書き出しておくことをお勧めします。たとえば「体調が悪くなったらどうする?」「 過去問と大きく出題傾向が変わったら?」「解答の時間配分が狂った場合は?」など、そうした事態をあらかじめ想定しておけば、もしアクシデントに見舞われても、大きく気持ちを崩すことはありません。
一問一答 綱島先生ならどうする
試験前日はガッツリ勉強?
まったく勉強しないのはダメ。けれど、詰め込み過ぎもNG。試験への集中力を切らさないために、いつもどおりの勉強をしながらも、少し早めに切り上げるくらいがベストだと思います。
試験前日はなるべく一人で過ごす?
勉強時間以外は、誰かと一緒に過ごした方が良いと思います。一人でいると不安が大きくなるので、家族や友人とおしゃべりするなど、前向きな気持ちをキープすることが大切です。
試験開始直前は何をする?
英語のリスニングテープを聞いて耳を慣らしたり、暗記系の知識を確認したりして過ごしましょう。いよいよ5分前!となったら、机の上を整理したり、トイレに行くなどして、心と環境を整えて試験に臨むことが大切です。
試験の休憩時間はどう過ごす?
休む時間と勉強をする時間をきっちり区切って、メリハリをつけることがポイントです。自己採点は、余計な心配のタネを生むだけなので、やめましょう。それより次の科目に集中!
綱島先生、ありがとうございます!
イメージトレーニングで本番のリハーサルをすることが、不安を乗り越えるポイント。
皆さんもぜひ実践してみてください。どんなアクシデントにも負けず、実力を発揮して受験を乗り切ろう!
プロフィール
綱島 将人(Tsunashima Masato)
大学受験学習塾STRUX主宰、株式会社ONER取締役、東京大学経済学部3年。神奈川県立トップの進学校に進学するも、入学時の成績はビリから数えた方が早かった。平日5時間、休日13時間の勉強を経て、独自の逆算メソッドを完成させ、1年間で学年トップにのぼりつめる。高校2年生時は同高校の理系トップを維持するも、将来の夢から文転を決意。文系でも学年トップに位置した。その後、東京大学文科2類に現役合格。受験勉強において、『逆算する力』の重要性を説く。