海外で学びたい、将来は日本内外で活躍したいと思っている方に、海外留学事情をお伝えます。
人気のある国・地域、期間も1か月未満や半年、1年など、多様な留学形態について解説していきます。
(記事協力:海外留学EFイー・エフ・エデュケーション・ファースト)
1.留学している学生はどれくらいいる?
(独)日本学生支援機構(JASSO)による「日本人学生留学状況調査」より、どれくらいの日本人が海外留学しているのか数字で確認してみましょう!
① 留学生数の推移
2023年度の日本人留学生数は83,179人と、 2020年度・2021年度のコロナ禍を経て、コロナ禍前の2019年度(107,346人)までには届きませんが、復活の兆しが見えています。
② 留学期間はどれくらい?
日本人留学生を留学期間別でみてみると、1か月未満(64.0%)が最多ですが、3人に1人は1か月以上の海外留学経験があります。将来の進学やキャリアのために海外留学を考えている人は、語学力のさらなる向上や、海外生活を通してグローバルな視野の獲得や自立心の育成なども目指し、中・長期留学も検討するとよいでしょう。
③ 主な留学先
2023年度の日本人留学生の留学先国・地域の最多はアメリカ合衆国で13,517人で全体の15.2%、次いでオーストラリアが9,163人と全体の10.3%でした。
トップ10位の中で、韓国・台湾・タイ・フィリピン・中国などアジア圏への留学者数は合計24.161人・27.1%にのぼっており、人気を集めている様子です。
|
留学先 |
人数 |
割合 |
2022年度 からの増減率 |
1 |
アメリカ合衆国 |
13,517 |
15.2% |
13.8% |
2 |
オーストラリア |
9,163 |
10.3% |
48.1% |
3 |
韓国 |
8,384 |
9.4% |
79.2% |
4 |
カナダ |
7,621 |
8.5% |
13.2% |
5 |
台湾 |
5,048 |
5.7% |
181.5% |
6 |
英国 |
5,037 |
5.6% |
47.1% |
7 |
タイ |
4,396 |
4.9% |
73.8% |
8 |
フィリピン |
3,200 |
3.6% |
97.5% |
9 |
中国 |
3,133 |
3.5% |
651.3% |
10 |
フランス |
3,022 |
3.4% |
56.7% |
|
その他 |
26,658 |
29.9% |
57.1% |
|
全体 |
89,179 |
|
53.3% |
2.留学の種類を知ろう
留学は、期間・目的などにより、さまざまな種類があります。主な留学形態を紹介します。
語学留学(語学研修)
海外の語学学校に通い、海外での生活体験や語学習得を目指す形態で、最短1週間程度からいけます。滞在先・期間によっては特別なビザの取得が不要だったり、中高生でも参加できる夏留学などのプログラムがあったりと、どんな世代の人にも大変人気が高い留学形態といえます。
語学学校は、初心者向けレベルから海外大学進学者向けの上級レベルといった様々なレベル別コースが用意されているため、自分のレベルに応じて受講ができます。
また、習得したい語学によっては、留学先国・地域の選択肢が多く、自由度が高いところも魅力です。なお、短期留学は夏休みや冬休みなどの長期休暇に希望が集中するため、人気留学先については早めに検討しておくことをおすすめします。
大学認定留学
国内大学に在籍している学生が、単位互換制度のある提携の海外大学で単位を取得すれば、国内大学卒業に必要な単位認定を受けることができます。休学や在学期間延長などをせず4年間で国内大学を卒業できる場合も多く、大学に在学しながら語学留学以上の留学経験を得られます。大学や学部ごとに提携先や選抜条件・単位条件などが異なりますので、在学中の海外留学を視野に入れている人は、志望校を選ぶ際にしっかりと情報を集めておきましょう、また入学後は成績を保ったり外国語試験で高スコアを取得しておくなどの準備もぬかりなく進めてくださいね。
海外大学進学
海外大学への進学・正規留学を目指すには、基本的には高校を卒業していることや、外国語試験の一定スコアの取得証明、大学が求める書類やエッセイなどの提出が必要です。出願準備にはかなりの時間と労力を要します。
なお、海外大学への進学を目指す際、語学力やアカデミックスキルを身につけられる「ファウンデーションコース(大学準備課程)」の履修が推奨されています。特にイギリスでは多くの大学で必須とされ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどでも進学の手段として広く認知されています。
このプログラムでは、大学で必要となる英語力やレポート作成、プレゼンテーション、専門分野の基礎知識などを体系的に学び、日本の教育制度との違いをカバーします。中には、特定大学への進学保証が付いているプログラムもあります。
海外大学進学を目指す人は、「ファウンデーションコース(大学準備課程)」紹介が可能な留学機関などに相談してみてください。
3.留学を選ぶポイント
近年は「英語を学ぶ」だけでなく、その後のキャリアやライフスタイルも見据えて留学を選ぶ人が増えています。
ここからは、最近注目されている留学選びのポイントをご紹介します。
① 「目的」で選ぶ
英語力を伸ばしたい、将来は海外で働きたい、異文化に触れたい―留学したい理由や目的は人それぞれ。この文化に興味があるから、この都市で生活してみたいから、就職する前に海外生活の思い出を作りたいから、といった理由でもOK!自分なりの目的を探してみましょう。
目的がはっきりすると、自然と行き先も絞られてきます。例えば、ビジネス英語の修得やキャリアにつなげたい人はロンドンやニューヨークといった大都市へ、リラックスした環境で生活を楽しみながら英語を学びたい人は自然豊かなマルタやニュージーランドといったように、留学先で自分がどのように過ごしたいのかに合わせて学校のレベルや行き先を選びましょう。
② 「学びの質とサポート」で選ぶ
せっかく留学するとなったら、留学先の学校の質や、慣れない海外生活でしっかりとしたサポートを受けられるかどうかも大切です。
留学の相談や申込をするときは、「留学エージェント」や「海外校の日本事務局」など留学のプロを頼るのがおすすめです。それぞれ希望にあったプランの紹介はもちろん、カウンセリングや説明会などが開催されています。
③ 「リアルな体験」で選ぶ
InstagramやYouTubeなどにあがっている体験談を見て「絶対ここに行ってみたい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
留学前から“リアルな生活”を想像できるということも、留学先を安心して選ぶポイントの一つです。
理想は留学経験者に直接話を聞いたり、できるだけ新しいリアルな情報を知っておくこと。留学エージェントや海外校の日本事務局などからリアルな情報収集をしていきましょう。
④ 「多様な価値観に触れられるか」で選ぶ
留学の醍醐味は、滞在地の人々・文化との触れ合いだけにとどまらず、世界中から集まる留学生たちとの交流ができるところにもあります。言語だけでなく、価値観や人間関係の幅を広げたい人にとっては、在学生の国籍バランスに偏りがなく多文化交流がしやすい環境を選ぶことも重要なポイントとなるでしょう。「語学学校は日本人が9割以上で、現地でできた友だちが日本人だけだった!」ということにならないよう、在学生の国籍バランスもしっかりチェックしておきましょう!