第5章自分の学力の「現状把握」の仕方

3.模試や定期テストの成績をチェック

「模試の成績」は意外と参考にならない?模試で注意するポイントと定期テストの点数の見方

「志望校に必要な学力」と「現状の学力」を分析し、志望校合格までの「差」を出すことが重要だとこれまでお伝えしてきました。今回は「現状の学力」を把握するためのポイントの2つ目、「模試」や「定期テスト」の成績から見極めていく方法をお伝えしていきます!高校1・2年生には前回の内容と合わせて参考にしてください!

「模試の成績」は「偏差値」ではなく「間違えた問題」を見る

「現状の成績を把握する」と聞いて思い浮かべるのは、「学校で受けた模試」などではないでしょうか。模試だと成績表も返されますし、「今自分がどのくらいできているのか、志望校にどのくらい受かる可能性があるのか数字で判断してくれる」ので、いかにも「正確な現在地」を教えてくれそうですよね。

実は、現状の成績を把握する上で「今使っている参考書」や「定期テストの点数」よりも案外使いづらいのがこの「模試の成績」なんです。

模試の成績は、大きく「点数」と「学校内順位・全国順位」、そして「偏差値」と「志望校の合否判定」が出ることが多く、多くの受験生が最後の2つ「偏差値」「合否判定」を参考にしています。

しかし、基本的にこの2つは「その模試の受験者がどういう人たちなのか?」によって大きく変わります。自分より成績が良い人たちが多く受けていれば自分の偏差値は下がり、合否判定も下がりますよね。逆に自分より成績が悪い人たちが多く受けていれば、自分の偏差値も判定も上がるということになります。つまり、現状の自分の立ち位置をあくまで「他の模試受験者と比べて」把握できる数字でしかありません。

さらに、その模試の受験者全員が自分と同じ志望校を受けるわけではないですし、逆に、その模試を受けていないけど、同じ志望校を受ける人が他にたくさんいるかもしれません。

今知りたいのは「他の人と比べた自分の立ち位置」ではなく、あくまで「志望校に対してどのくらい差があるか」ですから、偏差値や判定を見て判断するのは得策ではありません。

模試の成績を見るときは、基本的に「どの設問で点数を落としているか」、もっというと「どの問題で失点したか」を丁寧にチェックすべきです。模試の答案があわせて合わせて返却されたり、模試を受験した日に模範解答が配られていて自己採点できたりするはずです。このときに、「どの問題を間違えているか」の傾向を探してみましょう。「まだ習い終えていない範囲だから点が取れなかった」とか「まだ復習ができていない範囲だった」ということが分かれば、その範囲はまだ身についていないと分かりますし、逆に「テスト勉強でもやったはずの範囲なのに間違えた」という場合は、基本的なところを忘れてしまっている可能性があります。

このように、「実際に間違えた問題」を、復習をしながら確認していくことが、模試を使って現状を把握する正しいやり方です。