第5章自分の学力の「現状把握」の仕方

2.今やっている勉強と「学校の進度」をチェック

現状の学力と今後の勉強計画作成の基準は「今使っている参考書の出来」「学校の授業進度」

「志望校に必要な学力」と「現状の学力」を分析し、志望校合格までの「差」を出すことが重要だとこれまでお伝えしてきました。今回は「現状の学力」を把握するためのポイントのひとつ、「今やっている勉強」を確認しながら、自分の学力を見極める方法をお伝えします。高校1・2年生には特に参考にしてほしい内容です!

今使っている参考書と勉強方法をすべて説明できますか?

みなさんは、今自分がどういう参考書で勉強をしていて、どういうやり方で勉強しているか説明できますか?説明できるという人は、自分が「なぜその参考書を使っているのか」「今やっている勉強が何のための勉強か」を意識して、自分の学力の把握がすでにできている人です。ですが、そんな人は少数派で、今やっている勉強に「なんとなく」で取り組んでいる人がほとんどなのではないでしょうか。

ただ、それでは「気付いたら受験に間に合わない」という事態が起こってしまいます。まずは「今やっている勉強がどのくらい身についているのか」を知ることから、現状の学力を見極めることを始めましょう。

もちろん「模試の点数」や「定期テストの点数」なども現状把握の上では役立つのですが、模試自体の難易度やほかの模試受験者のレベルによっても結果の捉え方が変わってくるため、自分でその点数をもとに判断するのは難しいということも事実です。そのため、「現状の学力の把握」に一番役立つのが、市販の参考書や学校教材の正答率・理解度です。

把握の仕方は簡単で、普段勉強している参考書をすべて挙げだし、その進み具合(何周目の何ページか)とそこまでの正答率を出していきます。例えば「単語帳は学校の小テストに合わせて全体の半分まで1周目が終わっていて、テストのときは覚えていたけど、今テストしたら7割くらい正解できそう」とか、「数学は学校教材を解いているけど、正直3割くらいしか正解できる問題がない」などといったことです。

このときの正答率を注意してください。

・正答率9割以上
→すでに内容は身についている可能性があるため、より難易度の高い問題集や、他の勉強に時間を割くべき状態
・正答率4割〜9割
→今のレベルにあった参考書を使えている状態
・正答率4割以下
→今やっている参考書はレベルが高すぎる可能性があるため、もっと基礎的な参考書からやるべき状態

もちろん正答率はあくまで目安ですし、参考書によっても多少異なりますが、それでも「ほとんど正解できる」「ほぼ間違える」という場合は参考書のレベルが現状に合っていないと言えます。ということは、自分の「現状の学力」はその参考書より上か下か、ということも分かるわけですね。

「今使っている参考書」は分かりやすい指標なので、自分の勉強が今のレベルに合っているか目安にしてください。