第3章まず敵を知ることが、合格への近道

2.受験勉強は「現在地」と「志望校」の差を埋めること

現在地は「定期テスト」や「今使っている参考書」で把握しよう

この「現状の学力」と「志望校合格に求められる学力」のうち、把握が難しいのが「現状の学力」。自分で「ここまでは身についている!」と判断しても実際は身についていなかったり、逆に不安で身についていないように感じてしまったりと、自分の感情が入ってしまうのでなかなか正確には判断できません。塾や学校の先生と相談をして、現状の学力を判断してもらうのが一番適切でしょう。

ただ、どうしても自分である程度判断しないといけない、という場合も多いはずです。パッと思いつくもので言えば「模試」でしょうか。学校でもいくつか模試を受けると思いますし、判定も「苦手範囲」も出るので一見良さそうです。

しかし、模試の点数は「模試の難易度」や「試験慣れ」などの学力以外の要素にも左右されますし、判定もほかの模試受験者と比べたものですから、実際の志望校との距離とは違うことも多々あります。

現状の把握には模試の判定よりも「普段解いている問題集がどのくらい解けているか」のほうが参考になります。たとえば単語帳でいうと、使っているのが「ターゲット1400」で、半分も覚えられていないという場合であれば、英単語はまだまだ基礎から身につける必要があると判断できます。逆に普段からセンター試験の過去問などを解いていて、すでに7割くらい点が取れているという場合はある程度基礎は身についていると言えます。

このほかにも、学校の定期テストも参考にできます。特に数学や理社は現段階での基礎の定着を図ることができますから、こちらも参考にしていいでしょう。テストで8割以上取れているのであればある程度その範囲の基礎は身についているといえますが、そうでなければ基礎から入れ直す必要があります。

これも判断に迷えば、今使っている参考書やテストの成績をもとに学校の先生・塾の先生に相談して、どういう勉強から始めるべきかを決めていくのが確実です。

志望校については綿密に調べるところから

このように現状の学力を把握していけば、あとは志望校合格に必要な学力を調べればOK。こちらは現状の学力把握に比べると楽です。
志望校に必要な学力を把握する上で調べるべきものは次の3つ。

  • 出題される科目と配点
  • 例年の合格最低点
  • 過去問を見てわかる出題傾向

これらの調べ方について、次の回から具体的にお伝えしていきましょう。