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2021/9/15

東北大学
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超音波検査による乳がん検診のランダム化比較試験の第2報を公表

東北大学大学院医学系研究科の大内憲明客員教授らの研究グループは、40歳代女性を対象に乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験を実施し、第2報を公表した。
グループは、「がん対策のための戦略研究:超音波検査による乳がん検診の有効性を検証する比較試験(J-START)」において、日本で経験のなかったランダム化比較試験(RCT)を76,196人の40歳代健常女性の協力を得て実施。マンモグラフィ受診群を対照とし、マンモグラフィ検診に超音波検査を加えた群を介入群として、無作為に割り振られた方法で初回とその2年後に同じ検診を受診してもらうランダム化比較試験を開始した。研究成果の第1報「プライマリエンドポイント:感度、特異度、がん発見率」は、2016年1月に『Lancet』に掲載された。今回の第2報は、介入群と対照群における「乳房濃度別の感度、特異度解析による超音波検査の評価」で、乳房超音波検査がマンモグラフィの偽陰性問題(検診でがんを検出できないこと)を補う有力な検査法であることが示された。超音波検査を用いた乳がん検診に関する大規模RCTは世界初であり、この成果は日本および世界で増え続ける乳がん対策の重要な礎となることが期待される。