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2021/7/21
コロナ禍における熱中症搬者数について考察
名古屋工業大学、東北大学サイバーサイエンスセンター、東京電機大学の共同研究グループは、東京都、大阪府、愛知県、宮城県を対象として、2020年の熱中症搬送者数におけるコロナ禍の影響について考察した。
グループは、気象データと計算シミュレーション技術を融合することにより、一日当たりの熱中症搬送者数を予測し、実測値と比較。気象の影響を取り除いた比較を実現したほか、人口動態も考慮した予測値も同様に提示した。その結果、大阪府、愛知県では、屋外からの搬送者は、お盆時期においてはステイホームによる搬送者数の減少がみられたが、その他の時期については、屋内・屋外搬送者数ともに変化はみられなかった。コロナ禍の影響で人口動態が変化しているもののその影響が見られない理由としては、ステイホームに伴う暑熱順化の遅れや体力低下により、同じ作業を行った場合でも、多くのエネルギーを消費し、体温上昇しやすくなるなどの影響が示唆された。一方、東京都においては、屋内・屋外ともに例年よりも増加傾向にあり、特にお盆期間中の屋内搬送者数が予測値を大きく上回った。推定式では急激な気温の変化を十分考慮できないことに加え、コロナ禍による帰省の自粛や、ステイホームによる体力低下などが複合的に影響している可能性があるとしている。これらの考察は、熱中症リスクの低減に向けた啓発活動に利用していくことや、救急搬送される患者数の推定などへの応用が期待される。