知れば知るほどハマる学問の世界

金城学院大学 人間科学部 多元心理学科 教授 北折充隆 先生
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社会心理学とは?


他人の行動や社会問題などから感じた疑問をきっかけに、人間の行動心理を心理学と社会学の手法を使って分析。調査や研究で得られた知見を世の中に還元し、役立てることができます。社会的スキルやコミュニケーションについての理解も深まるため、良好な人間関係を築くことができる人材育成にもつながります。

先生が研究していること
原体験は幼少期に見た
ロボットアニメ!?

子どもの頃、ロボットアニメが好きでよく見ていたのですが、非常に印象に残る場面がありました。勧善懲悪のわかりやすい展開が多い中、正義の味方に倒された敵が「地球の人間は地球環境を壊したり、身勝手なことをしたりする存在。なぜ助けるのか?」と言い残すのです。それを見た時から“正しいっていったい何だろう?”と考えるようになりました。社会規範を主な研究テーマに選んだのは、実生活でマナーを守らない人に出合うたびに、「なぜだろう?なんとかできないかな」と思ったことがきっかけです。大学院に入った頃、「ルールを守る心を研究したい」と指導教官に伝えると、返ってきたのは「そんなの誰もやっていない」という言葉。そこでテーマを変更するのではなく、“まだ誰もやっていないのなら自分がやろう!”と思いました。

なぜ、“ファン”が生み出されるのか。優れたホスピタリティが観光地のブランドを形成する!

社会心理学は人間の行動全体を研究する学問なので、なんでもテーマになります。好奇心の趣くままにテーマを決めて追求していける、それが社会心理学の面白さでもありますね。私のこれまでの研究テーマも身近で問題になっていることや気になったことを取り上げるのが基本。ですから、ネットや新聞の記事など、いろいろな情報源にアンテナを張って、常に新しいことを吸収しようと心掛けています。
大学院生の時に行った実験は“違反抑止メッセージの効果測定”。駐輪場に「駐輪禁止」と「駐輪厳禁」という看板を設置し、どちらが違反する人が少ないかを測定しました。あらかじめ停めておく自転車の数を変えるなど、さまざまな条件を設定してデータを集めました。実験の結果、メッセージが「禁止」でも「厳禁」でも違反の数はほとんど同じでした。それなら、あまりきつい表現をしなくてもいいのでは?と感じました。また、看板を無視して駐輪する人と止める人の数が、条件に関わらずほぼ半数ずつだったことも興味深かったです。
また、10年ほど前には“後席のシートベルト着用義務化による意識変化の調査”を行いました。義務化される前後の数年間にわたって調査しましたが、着用義務化をきっかけに、後席もベルトをしないと危険だと感じる人が増え、“危険性評価”が高まったことなどがわかりました。

社会心理学は
ここがオモシロイ!