総合型選抜入試・旧AO入試を突破した日本大学の先輩たちに入試体験談を聞いてみました。日本大学の総合型選抜を考えている高校生の皆さんは、先輩たちが臨んだ試験内容や準備、試験対策や、見事合格した先輩たちの貴重なアドバイスを参考にしてみてくださいね!
インタビュアー
UniVisit運営部 石川楓花
高校生の進路支援を行う学生団体UniVisitで、広報業務を担当。
高校生を対象としたイベント情報の発信や、高校生に向け、多種多様なバックグラウンドを持つ頼もしい大学生の存在を周知するべく、インタビューと記事作成を行っている。
お話を聞かせてくれた方
禅さん
スポーツ科学部競技スポーツ学科 1年 2023年度総合型選抜受験
こめさん
理工学部土木工学科 2年 2022年度総合型選抜受験
とりさん
理工学部精密機械工学科 既卒 2019年度AO入試受験
R.Y.さん
経済学部経済学科 既卒 2019年度AO入試受験
Youはなぜ日本大学へ?
無数の大学、学部がある中から自分が通う大学を選ぶ、進路選択。
そんな進路選択のストーリーはきっと、十人十色。まずは日本大学へ進学した4名、各々の進路選択ストーリーについて伺いました。
禅さんの場合
試験内容

書類提出 志望理由書、スポーツ活動歴の書類、課題レポート

実施試験 プレゼンテーション、口頭試問および面接
志望理由
競技空手に打ち込んでいたという経験から、将来は、スポーツに関わる仕事に就き、格闘競技の分野を盛り上げていきたいと思うようになりました。その夢を実現させるためにも、スポーツに関する知識を学ぶことのできる大学へ行きたいと思ったのが志望理由です。
日本大学を選んだ決め手は、2つあり、1つは、施設自体が新しく、スポーツに関わる最新の知識を学ぶための環境が整備されていると感じたから。もう1つは、オープンキャンパスに参加した際の、教授と学生の様子がとても楽しそうで、自分に合っていると感じたからです。
総合型選抜を選んだ理由
自分はスポーツ推薦で高校へ入学し、高校時代は部活に打ち込みました。
部活に打ち込んだ分、受験勉強を始めるタイミングが他の人よりも遅くなると考えたので、短期間で集中的に対策できるであろう総合型選抜での受験を選びました。
また、日本大学スポーツ学部の総合型選抜では、競技実績を用いることができたので、自分の持ち味を最大限に発揮できるとも思いました。
こめさんの場合
試験内容

書類提出 志望理由書、活動報告書、大学での学びの設計書、課題レポート等

面接、小論文
志望理由
自分の父や祖父など、家族が土木関係の職に就いていたという環境に影響を受け、高校2年生の文理選択の時期から「土木」の分野での大学進学を考えていました。
日本大学の理工学部は「土木」の分野に関して歴史が長く、業界に日本大学出身の方が多いなど、「土木」に関して有名だったことから志望しました。
総合型選抜を選んだ理由
自分は元々、一般入試で大学を受験しようと思っていたのですが、高校2年生の夏の三者面談で総合型選抜という入試方式を知ってから、総合型選抜の受験を考えるようになりました。
日本大学の総合型選抜入試の受け入れ定員数的に、自分にもチャンスがあると思えましたし、なにより志望する学科に絞って受験することができる点が魅力的だったので、総合型選抜で日本大学を受験することに決めました。
とりさんの場合
試験内容

書類提出 志願書、事前課題

事前課題の内容をプレゼンテーション、面接、筆記試験(2、3問)
志望理由
昔から算数や数学が得意だったこともあり、高校時代は理系でした。
進路選択の時期に、「自分は大学で何をやりたいのか」を考えたとき、機械系をやっていきたいと思ったので、大学は機械について学べる学部に行くことに決めました。
機械について学べる学部は、どの大学にもあると思うのですが、日本大学は、自分の学力レベルに合っていたのと、キャンパスの敷地が広く、研究施設が充実していて研究に打ち込めるような環境だったので、志望しました。
AO入試を選んだ理由
元々は、指定校推薦や一般受験を考えていましたが、高2の冬頃、指定校推薦やAO入試で、早めに受験が終わった先輩方の様子を見る機会などがあり、色々な入試方法があることを知りました。
それまでは、一般入試をメインに受けるつもりで勉強を進めていましたが、早めに受験を終わらせて、残りの高校生活を有意義に使いたいと思うようになり、「AOで受かれば良いな」くらいの気持ちでAO入試も受けることに決めました。
R.Y.さんの場合
試験内容

書類提出 志願書、小論文A

小論文B、面接
志望理由
高校3年間、商業科で学んだことをきっかけに、商業よりも幅広い分野である経済学に興味を持ち、大学で学びたいと思うようになりました。
同じように経済が学べる、青山学院大学や駒澤大学も検討していましたが、宗教系大学であるこの2校では、お祈りの時間や、宗教に関わる授業の履修があったりするという話を1学年上の友人から聞き、ある程度、大学の教育方針によって自分の希望しない授業も必須になるんだなということを知りました。
自分は、「その分、経済学を学ぶ時間に充てたい」と思ったので、日本大学を選びました。
AO入試を選んだ理由
商業科の高校に通っていたこともあり、一般科目の勉強をほぼしていなかったため、一般入試やセンター試験での受験は考えていませんでした。
指定校推薦も考えましたが、部活、生徒会での活動、課外活動などに意欲的に取り組んだり、研究サークルを立ち上げたりなど、他の人と差別化できるような活動にある程度取り組んできた自負があったので、そういった経験をアピールして、AO入試や自己推薦入試で大学に進学したいなと思うようになりました。
最終的には、高校2年生の時に日商簿記2級を取得し、日本大学のAO入試を受験するための基準を満たすことができたので、AO入試での受験を選択しました。
総合型選抜リアル体験談
ここからは対談形式で、学校のパンフレットだけでは分からない総合型選抜のリアルを、総合型選抜を突破し合格をつかんだ先輩の体験談をもとに、明らかにしていきます!
(石川)みなさんは日本大学のオープンキャンパスや説明会には参加しましたか?
禅さん

オープンキャンパス、説明会の両方に参加して、日本大学のリアルな雰囲気を知ることができました。
教師と生徒がとても楽しそうにしている様子や、在学生が高校生の自分に対しても挨拶をしてくれたことが印象的で、自分に合っているなと確信するきっかけになりました。
こめさん

自分は他大学のオープンキャンパスには参加したものの、日程的に日本大学のオープンキャンパスや説明会には行くことができませんでした。
なので、大学の情報や学部の雰囲気などに関しては、大学HPや進学情報サイトでひたすらに集めました。
とりさん

大学で「機械系について学びたい!」という思いはありましたが、どの大学のどの学科が良いかについては何も決まっていなかったので、そういった部分を見るためにも、色々な大学のオープンキャンパスに足を運びました。
オープンキャンパスでは、施設紹介や入試に関わる説明会、この大学にしかない魅力を聞ける機会があり、入試、施設、先輩に関する情報が一気に揃いました。
R.Y.さん

学部全体に関する説明会とAO入試特化型の説明会の2つに参加しました。
学部全体の説明会では、「経済学とは何か」といった大枠の説明を聞くことができ、AO入試特化型の説明会では、「この人の講義を受けたい」と思えるような大学の教授に出会うことができました。
(石川)総合型選抜の受験について主に誰に相談していましたか?
禅さん
主には、学校の担任の先生に相談していました。他にも、日本大学ではないですが
スポーツ関連の学部に、総合型選抜を利用して進学をした先輩がいたので、その先輩に話を聞いたりしていました。
こめさん
塾の先生、両親、学校の先生が主な相談先でした。
両親は熱心に応援してくれましたし、なにより、塾や学校が、自分で調べられないことを一緒になって調べてくださって、かなり協力的に支援してくださいました。
とりさん
自分の場合は、通っていた塾に信頼があったので、主には、塾の先生に相談なり、色々な話を聞いてもらっていて、そのなかで、親とも受験に関して話したりしてました。
R.Y.さん
自分は、両親が大学に行っていなかったので、具体的な相談は、高校の先生やお世話になっていた塾の先生にしていました。
(石川)実際に受験した率直な感想は?
禅さん
面接の直前まではもちろん、緊張していたんですが、正直なところ「受かったな」って思いました(笑)
というのも、教授との面接で、全国大会準優勝やベスト8といった実績について話したときの反応が良かったですし、当日のプレゼンテーションも発表したその場ですごく褒めていただいて、試験直後は良い試験ができたという実感がありました。
また、自分は面接試験に向けて本当に沢山、演習を繰り返して、完璧に仕上げた自信があったので、そういったことも良い試験ができたという実感に繋がったと思います。
こめさん
自分の場合は、当日の試験のウェイトはそんなに重くなく、試験前の準備の方がやることがたくさんという感じでした。なので、事前の課題を乗り越えられたので、当日の試験は、多少は緊張していたものの、割とスムーズに挑むことができました。
とりさん
先に、他大学のAO入試を受けていて、そっちの試験に比べると、日本大学の試験では手ごたえがあまりなく、正直なところ少し落ち込んだのを覚えています。
合格発表があるまでは、「元々一般のつもりだった」と気持ちを切り替え、一般受験に向けて勉強をしていましたが、結果的にAO入試で合格することができたので、そこでようやくホッとすることができました。
R.Y.さん
振り返ると、入試の小論文を通じて経済学の知識を身に付けたり、理解を深めることができたので、結果的に、すごく良い入試だったなと思っています。
また、AO入試で合格をしてから、大学に入学するまでのフォローアップも手厚かったなと思います。一般入試利用の学生と推薦入試利用の学生とで入学後の学力差があるといった懸念の声などもよく聞かれますが、日本大学経済学部のAO入試合格者は、入学前までに事前課題に取り組むことが必須で、そこでの課題を通じて、大学で学ぶための素養を身に付けることができ、入学後もつまずくことなく、大学生活を始めることができたと思います。
(石川)特徴的だった試験内容や、自分の学部の試験ならではの対策方法について教えてください。
禅さん
競技歴を書いたり、競技実績がある程度求められるのは、スポーツ学部受験ならではの評価方法だと思います。
また、受験したのがスポーツ学部ということで、課される課題もスポーツに関する経験と知識がある程度あることが前提のものなので、スポーツに関わる知識は自分なりに勉強して身に付けておく必要がありました。
こめさん
自分の場合、当日の小論文は事前にテーマが共有されていたので、受験前に実際に小論文を書いて暗記しておいて、当日はそれを記入する形で挑みました。なので当日よりも、試験前の課題でやるべきことが多い、というのが特徴だったなと思います。
とりさん
自分の場合の一番の特徴は、事前に与えられたレポート課題をもとに、当日プレゼンテーションする形式だったことです。
レポートで課されたテーマ自体も割と難しかったので、準備には2週間ぐらいを要しました。自分が通っていた塾の教室長が、たまたまですが、小論文やプレゼンテーションが好きな人だったので、色々とアドバイスを貰いながら取り組みました。
R.Y.さん
試験前と試験当日の合計で2回、小論文を書く機会があったのが特徴的でした。
試験前の小論文では、1週間程の期間に指定図書を3冊読み(加えて内容を理解するために追加で何冊か読んだ)、1,500字のレポートにまとめるというもので、膨大な量の情報をインプットして、内容を要約する必要がありました。
また、試験当日の小論文では、「宮崎県をフルーツ大国にしてくには」という初見のテーマに対して論述していかなければいけなかったので、普段から、ニュースを見ていることや経済に関する知識をある程度持っているかが、求められるような試験でした。
さらに、これは他の人から後から聞いた話ですが、担当面接官が学部長の部屋にあたると、面接がすべて英語だったそうです。
自分の担当面接官は音楽が専門の先生だったので、日本語で問題なく進行したのですが、当日いきなり面接室に入ったら、面接内容が全て英語だった…。なんて経験をした人も中にはいたみたいです…。
(石川)試験対策や実際の受験で苦労したことはなんですか?また、それに対してどんな工夫をしましたか?
禅さん
総合型選抜では、レポート、小論文が課されますが、このレポートや小論文を書くための知識や文章を展開する力を身に付けることに苦労しました。これに関しては、とにかく文章を書くこと、時間を見つけて小論文を書くことを意識して対策していました。
また、当日の試験ではプレゼンテーションと面接もあったので、これに向けては、自分の作ったスライドを学校の先生に見てもらったり、プレゼンテーションの練習に付き合ってもらったり、自分で質問を50個ぐらい想定して作り、それを基に面接の練習したりしていました。自分で準備や練習するのはもちろん、とにかく先生には、自分からお願いして、サポートしてもらうように意識していました。
こめさん
自分が苦労して、かつ、力を入れて対策したのは、面接でした。
小論文をはじめとした他の事前課題に関しては、時間をかければ良かったのですが、面接ばかりは、苦手意識があったので、親や学校の先生に協力してもらい、毎日練習をして、何とか当日までに形にしました。
とりさん
自分は、一般入試の対策と並行しての受験かつ、日本大学も入れて2校、AO入試を受験したので、とにかく時間的にタイトでした。
志望理由書や事前提出の書類が多く、提出が期限当日になるぐらいギリギリでしたし、当日発表する課題のテーマも、すぐに思いついて作れるようなものではなく、かなり時間をかけないといけない難しさで、大変でした。
書類関連は、とにかく塾の先生に全面的にサポートしてもらいました。発表課題に関しては、理系出身の父にアドバイスを貰いながら進めるなど、周りに頼るようにしていました。
R.Y.さん
自分の場合は、課題として指定された本を読むことが多かったので、膨大な本を読み切ること、読み切った上で本の内容を理解することが難しく、大変でした。
本の最初から最後まで全部じっくりと読み込むと時間がいくらあっても足りないので、問題文に関連のある部分に絞って読み込むように工夫していました。
また、面接はもともと得意だったので、面接に対する心配はなかったのですが、大学の入試である以上、大学について知っておかないと話にならないので、アドミッションポリシーなどの大学に関する情報を読み込んで、自分と合致する部分を抜き出すといった対策をしました。
(石川)日大の総合型選抜を検討する高校生に向けて、自身の実体験を踏まえて考える、総合型選抜試験のポイントやアドバイスをお願いします!
禅さん
日本大学のスポーツ学部は、スポーツに力を入れている学部であるのと、実際に集まってくる学生自体、それなりにスポーツの道を究めてきているので、志望する人は、アピールできる競技実績を持っておいた方が良いと思います。
受験対策としては、部活に打ち込むのと同様に、根気強く、受験をやりきる思いで、面接、プレゼンの準備をやりまくることが一番だと思います!
こめさん
当たり前のことかもしれませんが、準備はかなり時間をかけて念入りにやった方が良いということを伝えたいです。
自分の場合、もともと準備は1か月程度を見ていたのですが、周りから早めに取り掛かるよう諭され、2か月前からはじめた結果、余裕を持って取り組むことができました。
一般入試と並行しては大変かもしれませんが、早め早めの準備にはリスクも、損することもないと思うので、後輩にはそこを意識して受験に挑んでほしいと思います。
とりさん
一般入試と並行しての受験、かつ日本大学も入れて2校のAO入試を受験したので、限られた時間のなかで、上手に時間を使い受験を進めていく必要性を痛感しました。なので、時間の使い方に気を付けて進めていくというのが、1つ受験するうえでのポイントだということをまず伝えたいです。
また、大学のことについて知っておくことも重要です。これをしておかないと、面接で「うちの大学じゃなくても良いよね」と突っ込まれてしまう事に繋がるので、「その大学にしかないこと」を見つけて、話せるようにしておくことが大切だと思います。
R.Y.さん
自分の場合は資格型推薦だったので、もし、資格型の入試を受験するのであれば、受験するための資格基準を、出願までにクリアしておくことが大切だと伝えたいです。
あとは、自分が受験したAO入試の小論文を例に挙げると、経済学に絞った問題が出るなど、総合型選抜で課される問題は、進学先の学部で学べる内容に関心があったり、好きじゃないと、そもそも取り組めない内容だと思います。なので、大学選びや学部選びの段階で好きな勉強を見つけておくこと、「なぜそれを学びたいのか」「なぜこの大学に行きたいのか」といった志望する大学に行く目的やそこで学びたいことを明確にしておくことが重要だと思います!

いかがでしたか?
4名の先輩方それぞれの、進路選択ストーリーや受験ストーリーを通して、よりリアルな日本大学の総合型選抜について知ることができたでしょうか?
それぞれが、日本大学の総合型選抜(AO入試)の受験に至る経緯が違ったのは、もちろんですが、同じ日本大学の総合型選抜(AO入試)でも、試験内容や対策方法が違うことも印象的だったように思います。
今回の記事が、1人でも多くの、日本大学の総合型選抜を検討している高校生に届き、役に立つものになれば幸いです!
改めて、今回インタビューにご協力いただいた4名の皆さん、この度は、貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました!!
インタビュー・文=UniVisit石川楓花