自主研究は宝探し!学生による自主研究の祭典『サイエンス・インカレ』の魅力に迫る

お話をうかがった人

文部科学省
  • 小田 博文さん

    科学技術・学術政策局 人材政策課
    課長補佐 小田 博文さん

  • 中島 高弘さん

    科学技術・学術政策局 人材政策課
    次世代人材育成係 行政調査員 中島 高弘さん

サイエンス・インカレファイナリスト
  • 徳永 翔さん

    東北大学大学院 工学研究科土木工学専攻・SINAPS代表  徳永 翔さん

    第6回サイエンス・インカレ 文部科学大臣表彰受賞(山梨大学3年時)
    研究テーマ:「土壌硬度計の高精度化による斜面崩壊発生機構解明に関する研究」

  • 水谷 瑞穂さん

    大阪大学理学部 生物科学科
    水谷 瑞穂さん

    第7回サイエンス・インカレ
    研究テーマ:「ミミズは時を刻む?! 〜アンドレイミミズの概日リズムの解析〜」

昨今、日本では若手研究者が育たない、研究者育成のための環境が整っていない、などと言われています。学生の自主研究の発表の機会は少なく、研究意欲があっても研究を続けられない状況もあるでしょう。
しかし、日本が今後も持続的に科学技術開発を推進、発展させていくためには、次世代を担う若手研究者の育成はとても重要なことです。科学イノベーションを起こせる若手人材の育成と交流を後押しする、そんな目的のもとに2012年より始まった文部科学省主催のイベント『サイエンス・インカレ』は、2020年に第9回大会の開催を迎えます。
文部科学省のサイエンス・インカレ担当官と過去の大会のファイナリストに『サイエンス・インカレ』の魅力を語っていただきました。

『サイエンス・インカレ』とはどんなイベントなのでしょうか?

小田さん
小田さん

『サイエンス・インカレ』は、自然科学を学ぶ全国の大学生(学部生)、高等専門学校の学生に、自主研究を発表していただく場です。参加した学生が競い合い交流することを通じて、その能力や研究意欲を高め、創造性豊かな科学技術人材に育っていただきたいとの思いから生まれた文部科学省の事業です。

日本は理科学研究の先進国ですが、研究や技術を突き詰めるだけではなく、それぞれをどう応用したら社会にうまく還元されるかといった既存の技術や知識を組み合わせることの重要性も増しています。多くの有能な学生が集う自主研究の場で、そうした発想や視点にも気づいてもらい、科学の面白さを感じてほしいと思っています。

中島さん
中島さん

2012年から始まり、次回は第9回を迎えます。自主研究に取り組んでいても発表の機会が少ない大学生や高等専門学校生に加え、第9回からは高校生にも応募していただけるようになりました。

次回は2020年2月29日〜3月1日の2日間、立命館大学のびわこ・くさつキャンパスで開催予定ですので、ぜひ多くの方に応募していただきたいと思っています。

実際に参加した学生にもお話を伺いたいと思います。第7回ファイナリストの水谷さんが発表した研究内容はどんなものですか?

水谷さん
水谷さん

ミミズに関する自主研究でした。ミミズが夜になると活動することに疑問を抱き、光を感知して動いているのか、それとも体内時計のようなもので動いているのかを調べました。実験の結果、ミミズには体内時計が存在すること、しかも体内時計が2つ存在する可能性もあるということを発表しました。

自主研究に興味をもったきっかけはどんなことでしたか?

水谷さん
水谷さん

小学生の頃から、飼っていたカメがどうして天気のいい日にだけ甲羅干しをするのかや、イモリが雨の日に壁に張りついているのは湿度や温度を感知しているのかといったことが気になって、自由研究をしていました。

高校がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)で、科学部に入っていたこともあって、ほかに研究している人がいなかったミミズの研究に取り組むようになり、大学2年生の時にサイエンス・インカレに出場しました。

研究のモチベーションはどこにあったのでしょう?

水谷さん
水谷さん

一番は、研究が好きということ!高校時代は夕方まで授業を受け、帰宅してから深夜1時2時まで実験していました。大学生になってからは、夏休みなども毎日大学に通って実験を続けました。まわりの友達はバイトや遊びで学生生活を楽しんでいたけれど、私には興味がある研究に打ち込むことが一番大切でした。

高校生の時から数えるとミミズを500匹くらい実験に使いました(笑)。初めのころは、うまくミミズを飼育できずに死なせてしまうこともあったのですが、ミミズの研究者にメールで飼育方法を問い合わせたりして、徐々にちゃんと飼育できるようになりました。そういった小さな成功も、研究を続けるモチベーションでした。

『サイエンス・インカレ』に参加して、どんなことを感じましたか?

水谷さん
水谷さん

発表では、他分野の研究をしている方から質問を受けたり、ご意見をいただくことができました。それで、自分では気づかなかった観点で研究を考えることができるようになり、新たな発見につながったことは、大きなモチベーションになりました。

『サイエンス・インカレ』の魅力に迫る