複雑化する入試制度を一刀両断!【親子でのりきる大学・短大入試】

  • Chapter1:保護者が知っておきたい 大学入試の基礎知識
  • Chapter2:保護者から子に伝えたい志望校選びのポイント
  • Chapter3:親子で協力して行う大学情報の収集と活用法

Chapter2:保護者から子に伝えたい志望校選びのポイント

なるべく早めに第一志望校を決めよう

目標を高く持つようアドバイスを

 子供が受験勉強をスタートする際に、なるべく早めに決めておかなければならないのが、目標とする「第一志望校」です。この第一志望校が決まっていなければ、具体的な受験教科・科目や到達すべき学力レベルなどが分からず、効果的に受験勉強を進めることができません。子供の将来とも結びつく志望校選びですから、保護者も一緒に検討してあげてください。
 志望校を決める際に多くの受験生が目安とするのが「大学の難易度と自分の学力レベル」です。しかし、第一志望校は現在の学力レベルにこだわる必要はありません。むしろ、現在の学力レベルより難易度が高い大学を選ぶことがポイントです。早いうちから学力に合わせた志望校選びをするのは、今後の学力の伸びを否定することにつながり、安心感からかえって勉強に集中できないケースが考えられます。目標を高く持って勉強を続けることが、最終的に目標まで届かなかったとしても学力アップにつながり、良い結果をもたらします。
 現在の学力と目標レベルとのギャップを埋める努力こそが受験勉強といえるでしょう。子供は現在の実力を気にするもの。目標を高く持つようにアドバイスしてください。

自己分析を通じて「入りたい大学」を明確に

 それでは、第一志望校はどのように決めたらよいのでしょうか。最も基本になるのは、子供が自分自身についてよく知ることです。自分の興味・関心、能力・適性といったものを子供自身がよく把握していること。その上で、「大学に入って何を学びたいのか」をしっかりと把握させることがポイントです。一度、じっくりと自分自身を見つめ直す時間を設けるようアドバイスするとよいでしょう。また、子供が自分のことを把握していると思っても、保護者の認識とは違うことも案外多いもの。保護者と子供がよく話し合うことも大切です。
 大学で学びたい学問分野が決まったら、それが学べる大学はどこかを子供と一緒に調べてみましょう。同じ学問分野に関する学部・学科は数多くの大学に設置されていますが、研究室やゼミの内容、校風、施設設備などを調べて、子供に最もマッチした大学が「第一志望校」です。つまり、現在の学力に合わせた「入れる大学」ではなく、子供が自分を知り、大学を知ることで「入りたい大学」を探すことが、第一志望校選びのポイントです。
 なお、具体的な大学選びで注意したいのは、保護者の希望をあらかじめはっきりと子供に伝えておくことです。「国公立大学にしてほしい」「自宅通学を望んでいる」などの希望があれば、できるだけ早めに子供に伝えておきましょう。よく話し合い、正当な理由があれば子供も納得するはず。保護者も子供も納得のいく志望校選びを心掛けましょう。

第一志望校決定までのプロセス

現役合格をめざす上手な「併願作戦」

併願作戦の3つのポイント

 最終的な併願作戦は本番直前の1月頃に決めればよいのですが、それまでになるべく多くの大学情報を集めて受験校の候補を絞っておきましょう。

Point1:入試科目  併願校の入試科目は、子供が現在勉強している第一志望校の入試科目とマッチしていること。併願校のために新たに勉強しなければならない科目や出題範囲が増えてしまうようなことがあってはいけません。第一志望校の学習範囲内で効率的に受験できる併願校を選びましょう。
Point2:入試日程  入試日程では、まず「試験日」に注意。受験は思っている以上に精神的にも肉体的にも負担が大きいもの。受験校どうしの試験日は2〜3日以上の間隔がある方が理想的です。また、受験校どうしの「合格発表日」と「入学手続き締切日」にも気を配ること。
 例えば、第一志望校の合格発表日の前に第二志望校の入学手続き締切日がある場合、第二志望校を合格してその入学を確保するには、少なくとも入学金相当額を納入しなければなりません。第一志望校に合格しても、その入学金相当額は返還されないケースがほとんどです。このような金銭的な無駄をしないためにも、合格発表日や入学手続き締切日にも注意しましょう。
Point3:難易度  最終的な受験校選びでは、併願校の難易度を(1)実力上位校、(2)実力相応校、(3)安全校の3段階で考えるのがポイント。第一志望校の難易度が受験直前期の実力より上の「実力上位校」だとすると、併願校として、実力にマッチした「実力相応校」から2〜3校、合格できそうな「安全校」から1〜2校を選ぶというのが一般的。現役合格をめざすなら、難易度に差をつけて併願校を選ぶことが現実的な併願校選びといえます。

併願作戦の経済学

経済学1 「学内併願減額制度」

私立大学の受験料は1校につき3万5,000円が相場。3校受験するだけでも10万5,000円が必要となります。しかし、「学内併願減額制度」を設けている大学があります。これは、同じ大学でいくつかの学部・学科を併願すれば受験料を減額するシステムです。例えば、2学科受験すれば通常7万円必要ですが5万円でOK、3学科受験なら7万5,000円でOK、という制度です。こうした制度を設けている大学を利用すれば、受験料の節約につながります。

経済学2 「地方試験の利用」

遠隔地の大学を受験する場合、受験料に加えて交通費や宿泊費などが必要です。交通費・宿泊費も大きな出費。そのようなケースでは、地方試験の利用を考えるとよいでしょう。数多くの私立大学で地方試験を実施していますから、これを利用すれば地元や地元に近い地方都市で受験できますから交通費や宿泊費を節約できます。なお、地方試験の利用ではありませんが、大都市圏で受験する場合は、1回の受験旅行で複数の大学を受験することがポイント。何度も受験旅行をすることは大幅な出費につながります。入試スケジュールをよく検討しておきましょう。

納得できる併願校選びのために

 併願校選びの3つのポイントを述べてきましたが、こうしたテクニカルな要素以上に大切なことは「納得できる併願校」であることです。たとえ安全校でも、その大学が子供にとって納得できる大学であること。興味のある研究をしている、学びたいことを学べそうだ、あの先生の講義を聞きたい、建学の精神や校風に共感する……等々、知名度は多少低くても、このように子供に納得できる大学は必ずあるはずです。
 前述した3つのポイントで、ある程度併願校の的を絞ったら、個々の大学の教育・研究内容などをよく調べることが、最終的な併願校選びとなります。大学の内容をよく確かめずに入学したなどという場合、たとえそれが有名校であったにしても、入学後に失望してキャンパスライフに満足できないというケースも少なくありません。合格すればよいというのではなく、入学後のこともよく考えて、あらかじめしっかりと大学の中身を検討して「納得できる併願校」を選ぶことが何より大切です。

併願作戦のポイント

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