経済社会の基盤となる 金融 銀行/生命保険・損害保険/証券/リース/信販/消費者金融

 3メガバンク時代を迎えて、新しい金融形態へ乗りだし始めた銀行、個人投資も活発化している証券など、現在金融業界はバブル崩壊後の低迷から、力を取り戻しつつあります。企業活動の支援や個人資産の運用など、さまざまな側面から日本と世界の経済を支える金融業界は、銀行・保険・証券など、業界内での垣根も低くなりつつあり、さらなる変革の時代を迎えて多くのチャンスと可能性を広げています。

金融の仕事と魅力
どんなやりがいがある?

 扱う商品がお金に関わるものですから、自分の判断が企業や個人の将来を左右することもあります。スケールの大きい仕事も多く、責任も大きいだけに成果を上げたときの達成感もひとしおです。融資などを通して社会全体の産業の育成支援にも携わることになり、経済を支えている実感が味わえる業界です。

どんな能力が求められる?

 融資先企業の状況や円・株の相場などには政治・経済・社会・国際情勢が大きな影響を与えるので、日ごろから幅広い視野が必要となってきます。また、金融は社会の基盤となる業種であるだけに、そこで働く人には社会を支える使命感や他の業種に比べて厳しい倫理観を持つことも求められています。

どんな職種で活躍できる?
文系の主な職種
融資業務

 資金を法人や個人に融資する仕事。融資先の経営状態や将来性を把握して、リスクを最小限に抑えることが必要とされてきます。

為替業務(ディーラ・トレーダー)

 為替ディーラーは為替相場で円やドルなどの通貨を売買する仕事。そのほか、債券の売買を行う「債券ディーラー」などもあります。トレーダーは、顧客から売買注文を受けて、ディーラーに取り次ぐ仕事。どちらも金融のスペシャリストとして、世界的な金融市場を仕事の舞台としています。

理系の主な職種
アクチュアリー

 保険会社で確率論や統計学など数学的手法を駆使して、危険率・保険料率などの算出をする仕事です。信託銀行で年金業務に携わったり、企業の資産運用に関わったりする場合もあります。文系出身者も多く活躍していますが、数理分野のプロフェッショナル的な仕事です。

クオンツ

 コンピューターなどを利用した高度な数学的手法を使って、市場や企業の業績を分析したり、投資戦略や金融商品を開発・考案したりする専門家。専門性を要するため、理系出身者が大半を占めています。

金融の今を読み解くTopics トピックス
Topics1
メガバンク

 金融の自由化とバブル崩壊後の不良債権処理から生き残りをかけて続いてきた大手銀行の再編も、2000年9月のみずほフィナンシャルグループ、01年4月の三井住友銀行、05年10月の三菱UFJフィナンシャルグループ発足で一段落し、3メガバンク時代が到来しました。13年3月期の3グループ合わせた純利益は1兆7612億円。11年以降軒並み堅調な業績で推移するその背景には、長期金利の低下によって過去に取得していた国債価格が上昇し、国債の売買益が上がったことなどが挙げられます。しかし、国内企業における資金需要の低迷は懸念材料として残ったまま。今後は、銀行代理店として地方への支店網拡充のほか、金融危機が危惧されている欧州の金融政策に対しメガバンクがどう動くのか、これからの動向に注目です。

Topics2
ネット銀行・ネット証券

 インターネットを使用した金融取引が活発化する現代。店舗を持たず、インターネットだけで金融サービスを行うネット専業銀行は、パソコンやスマートフォンで振込や残高照会ができることから、ネットオークションの決済などでも利便性を発揮しています。振込手数料が安い、高利息の金融商品を提供するなど、魅力的なサービスを打ち出し、利用者が拡大。また、インターネットを通じて株式・債券・投資信託などの取引を行うオンライントレードも急速に普及しています。株式売買手数料の自由化を受けて、ネット証券各社は安価な手数料で個人投資家を取り込み、インターネットでの株式売買は全取引の35.2%を占めるほどに。拡大に伴い、セキュリティーや個人情報保護の対策にも力が注がれています。安全な取引を遂行するために、セキュリティー開発や情報保護管理に携わる人材の重要性が、今後いっそう増していくことでしょう。

Topics3
不動産投資信託(J-REIT : Japan-Real Estate Investment Trust)

 多くの投資家から資金を集めて不動産を開発・保持し、その賃料や売却益を投資家に分配する投資信託のことです。投資家には投資証券が発行され、この証券は株と同じように市場で売買することも可能になっています。かつては企業や大口投資家が中心だった不動産投資が、REITの登場で個人でも手の届く金額で行えるようになりました。不動産投資信託は不動産投資の専門家(不動産ファンド)が、投資家の資金をまとめて複数の不動産に分散投資することから、安定性とリスク分散、配当が高利回りなことが魅力で、個人投資家の関心を集めています。1年間で新たに証券化された不動産は2007年の約8.8兆円をピークに1.7兆円まで急落しましたが、12年度には3.3兆円と順調に回復しています。

J-REITの仕組み
金融のこれからを予測するKeyword キーワード
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郵政事業見直しによる金融業界への波紋

 2007年10月、日本郵政公社は、国が全額株式を保有する純粋持株会社の日本郵政(株)のもと、郵便事業(株)、郵便局(株)、(株)ゆうちょ銀行および(株)かんぽ生命保険に4分社化されました。このうち、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式は、民営化実施後10年以内に売却し、遅くとも17年10月までに完全民営化されることとなっています。一定の条件のもと新規事業を行うことができる郵政では、現在、シンジケートローン(参加型)、公共債の売買、貸出債権の取得・譲渡等、新たにクレジットカード業務や住宅ローン等の媒介業務等が認可されています。10年4月に審議された郵政改革関連法案では、郵便に加えて金融サービス(郵貯・簡保)も国の責務と位置付けるなど、郵政三事業の新たな体制作りが推進されており、今後の郵政改革の進展に注目が集まっています。

郵政民営化関連法案にもとづく「完全民営化」までの流れ
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団塊世代向け金融商品

 2007年以降、大量に発生する団塊世代の顧客獲得競争が激化し始めています。団塊世代退職者の受け取る退職金は約80兆円とも推計されており、それを見込んだ金融商品が、銀行・保険・証券から次々と投入されています。各銀行では定期預金より利率の高い年金式定期預金や資産運用の相談サービスなどを提供しています。保険では医療保険と一時払い年金保険を組み合わせたセットプランなどの商品を発売。証券ではさまざまな銘柄のオプションを証券化した金融商品の販売や売買手数料の割引サービスなどを行っています。今後、高齢化社会の進むことから、シニア世代のセカンドライフを支える金融商品市場は、ますます活況を呈していくと見られています。

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バーゼル3

 「バーゼル3」とは、バーゼル銀行監督委員会(※) によって改訂作業が行われている、銀行の健全性を保つための新たな規制のことです。一時施行の先延ばしが発表されましたが、国際統一基準行に対しては2013年3月末より、国内基準行に対しては2014年3月末より導入されることで決定(一部国内独自のルールを導入)。今後は、国際統一基準との差異を踏まえた資本管理についてなど検討を重ね、19年までに完全適用される予定です。
(※)主要国の中央銀行や金融当局で構成される組織


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