モノとサービスで満足を提供 流通・サービス・人材 小売(スーパー・コンビニエンス・百貨店・専門店・量販店・通販)フードビジネス/旅行・レジャー/ホテル

 流通・サービス・人材業界は、いずれも人と密接に関わる業界です。商品、あるいは形のないサービスで、便利さや快適さを人に提供していきます。日本は世界でも有数の豊富な商品数をそろえ、一流と言われるサービスを提供していますが、人々の便利さや快適さの要求は年々高まる一方です。個別化が進む顧客ニーズをいかに捉えていくかが、課題であり、そこに新たな可能性も見出すことができる業界です。

流通・サービス・人材の仕事と魅力
どんなやりがいがある?

 人に商品やサービスを提供して、ダイレクトに反応が得られるのがこの業界の特徴です。細やかな配慮とサービスで顧客に満足してもらう、自らの工夫が売上につなげられるなど、働き方次第で多くの可能性が広がる仕事です。また、小売やフードビジネスなどでは、早くから店舗で責任ある立場につけるなど、人・モノ・金をマネジメントしていくことで成長を実感することもできるでしょう。

どんな能力が求められる?

 人に満足を与えることで対価を得るこの業界では、今、世の中で何が求められているのか、常に時代に即したニーズを感じ取り、そのうえで商品やサービスの提供に創意工夫をこらしていく力が求められます。ただ商品やサービスを売るだけでなく、そこにいかに付加価値を創出し、顧客満足につなげられるかが必要とされています。

どんな職種で活躍できる?
文系の主な職種
販売スタッフ・接客

 小売店・フードビジネスなどで、来店する顧客の応対をする仕事です。商品やサービスを顧客の嗜好に合わせて提案・販売していきます。店舗で責任ある立場につき、スタッフのマネジメントや売上管理などに携わっていく場合もあります。

講師・インストラクター

 塾・予備校、語学学校、専門学校などで教える仕事です。生徒も幼児から高齢者まで実にさまざま。企業に出向いて社員教育にあたるケースもあります。パソコンスクールなど教える教科によっては理系分野の人も活躍しています。

ケアワーカー(介護福祉士)

 高齢者や障害者の介護やリハビリ・日常生活の援助などを行います。社会福祉士は国家資格で、高齢化時代に向けて需要が高まっている仕事です。

理系の主な職種
薬剤師

 調剤薬局や病院、ドラッグストアなどで処方箋に従った調薬や患者への服薬指導を行います。軽い病気は市販薬品を利用して自分で治そうとするセルフメデュケーションの普及から、ドラッグストアでは「かかりつけ薬局」としての機能強化を進めています。そのため、薬剤師の重要性は今後、さらに高まってくるとされています。

栄養士・管理栄養士

 フードビジネスや福祉・医療業界などで栄養指導を行う仕事です。近年の健康志向から、カロリーや栄養バランスを考慮したメニュー開発を行うフードビジネスが増えています。また、介護施設や病院などでも、療養のための栄養指導を行う管理栄養士は、今後さらにニーズが高まってくる職種です。

流通・サービス・人材の今を読み解くTopics トピックス
Topics1
トレーサビリティ

 追跡可能性と訳され、製品の流通経路が生産段階から最終段階まで追跡が可能な状態のことです。BSE問題、産地偽装問題、遺伝子組み換え作物の登場などから、消費者の安全な食品への関心が高まっており、特に食品分野でのトレーサビリティが注目されています。2004年以降、牛肉については個体識別番号の表示が義務付けられており、消費者はラベル表示をもとにホームページなどで情報を入手できる仕組みになっています。また、他の食品についても、順次導入していく動きがありますが、すべての食品でのシステムを実用化するには、コスト面や管理面での課題も残されています。小売業界にとって、消費者が安心して買い物ができる環境作りのためにトレーサビリティシステムの導入は必須とされています。システム構築に向け、生産者、流通業者と連携しての取り組みが活発化しています。

トレーサビリティの仕組み
Topics2
CS(顧客満足度)

 CSとはCustomer Satisfactionの略で、顧客の企業に対する満足度を調査して数値化し、客観的に評価・分析し、サービスの質の向上に反映させる経営手法です。近年、「顧客第一主義」を経営理念に掲げる企業が急速に増えており、新商品の開発に生かしたり、サポート・サービス体制の改善に努めたりしています。CSはすべての業界で重視されていますが、特に小売やサービス関連業界にとって大きな課題の1つとされています。顧客層を見定めてターゲットにあわせた商品をそろえていくことや質の高い接客サービスを提供することは、リピーター客を増やすことにつながります。顧客視点に立った商品・サービスの提供は今後ますます重視されていくことでしょう。

Topics3
消費税増税

 2014年4月に8%へと引き上げられる消費税。15年10月には10%への引き上げも検討されています。小売業界の動向は国内経済に左右される傾向にあります。13年はアベノミクスの影響などから国内経済は回復傾向にありましたが、14年以降は増税後の消費の冷え込みが懸念されています。増税分を商品価格に転嫁できない小売業者も多く出ると予想され、消費税増税にどのように対処していくかが企業の悩みの種です。

流通・サービス・人材のこれからを予測するKeyword キーワード
Keyword1
ICタグ

 商品の荷札(タグ)に小型のIC(集積回路)チップを組み込んだもの。ICチップには製造年月日や流通履歴などの情報が書き込まれ、ICタグリーダーで情報を読み取る仕組みです。在庫管理やブランド品の偽造防止、万引き防止、食品トレーサビリティへの応用など、小売・流通業界での業務効率化とコスト削減への貢献が期待される一方で、店舗を出た消費者の行動追跡手段になるのではないかといったプライバシーの問題とICタグ1つあたりの単価が高いことから、導入が遅れてきました。しかし、「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」が作成され、また開発が進み低価格化を実現しつつあることから、2003年ごろより導入に拍車がかかっています。今後、ICタグ市場は一気に拡大するのではないかと見られており、大きな注目を集めています。また、本格実施には小売・流通側の導入体制も重要です。導入促進には、小売・流通の在庫管理に関わる職務などで、システム知識を備えた人材が不可欠となってきます。

Keyword2
少子高齢化市場
進む高齢化社会

 進む少子高齢化社会に伴い、今後の消費のカギを握るとして注目されているのがシニア世代です。介護をはじめとする福祉関連サービスは21世紀に拡大していく産業です。それに伴う人材育成も教育分野では活発に行われています。また、小売、フードビジネス、サービス分野でもシニア層に意識をおいた取り組みが行われています。シニア顧客を対象とした化粧品・健康関連商品売場を新設する百貨店、ヘルシー嗜好を反映した外食産業や宅配食サービス、趣味を伴う体力づくりを推進するスポーツ施設など、シニア層への顧客サービスが繰り広げられています。2020年には65歳以上が総人口の約30%を占めるとされている現在、シニア市場の開拓に各業界は力を注いでいます。

Keyword3
観光立国推進基本法

 2007年に施行された法律で、12年には新たな「観光立国推進基本計画」が閣議決定されました。震災や原発事故で失われた日本ブランドの信頼回復・強化など、日本の観光に関する課題を克服するために、「観光の裾野の拡大」と「観光の質の向上」をめざしており、観光立国の実現に向けて官民一体となった取り組みが行われています。具体的には、10年の訪日外国人旅行者数が861万人なのに対して、16年には1,800万人、20年には2,500万人にすることを目標としています。外国人旅行者の増加は旅行業界のみならず、小売・観光・サービスとすべての国内消費拡大につながります。外国人旅行者を対象としたさらなる市場の伸びが期待されており、旅行者の迎え入れに当たって、語学力や日本文化・観光地・商品などにくわしい知識を持つ人材の活躍が期待されています。

日本を訪れる外国人客数の割合

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