モノを動かす・社会を支える 商社・エネルギー・インフラ 総合商社・専門商社/交通・運輸/建設・不動産・住宅/石油・電気・ガス

 世界的な規模でモノを仲介する商社、国内外にヒト・モノを運ぶ交通・運輸、都市開発や公共事業にも携わる建設、インフラを支えるエネルギー業界 ―これらはいずれも社会の基幹業種として、日本経済を担っています。動かすモノの大きさから経済に与える影響も大きく、大規模な企業統合なども行いながら経営基盤の強化を図っています。

商社・エネルギー・インフラの仕事と魅力
どんなやりがいがある?

 商社・エネルギー・インフラは日本国内のみならずグローバルな活躍も期待できる業種です。また、国家的なプロジェクトに参画して、大規模な仕事に携われるケースも多々あります。自分の力で社会を変える、社会を支えるという喜びを実感できる点が魅力です。

どんな能力が求められる?

 海外と関わる機会が多いため、語学力や国際的な幅広い視野を持った人材が求められます。また、公共事業や社会的なインフラを担う業種では、一企業の枠を超えた公共的な視点も必要とされてきます。

どんな職種で活躍できる?
文系の主な職種
海外駐在員

 海外に駐在し、商品の輸出入などの営業活動、海外支店や現地法人でのマネジメント業務などを行います。取引交渉や製品の開発に携わることもあります。

貿易事務

 貿易関連業務全般を担当する仕事です。輸出入を担う輸送機の手配や通関手続き、関税の申告などでは語学力や専門知識も求められることになります。

理系の主な職種
情報システム

 システムの開発・維持を担う仕事です。運輸では原材料調達から生産・販売に至るまでの物流システム、交通では運行システム、電気・ガスでは公共料金の収受に関わるシステムなどに携わることになります。

技術営業

 技術関連製品を扱う商社などでは、製品の導入やサポートに専門知識が必要となってきます。また、建設・不動産・住宅関係でも顧客との折衝や進捗・管理に技術的知識が必要とされることがあります。

商社・エネルギー・インフラの今を読み解くTopics トピックス
Topics1
進化する商社

 「ラーメンからミサイルまで」のたとえにもあるように、商社では実に多種多様な商材を扱っていますが、近年、最適な商品や原材料を企業に提供するオーガナイザー機能から、役割をさらに進化・拡大させつつあります。資本力とIT、物流、金融、マーケティングなどのノウハウを生かして、原料や素材などの川上の取引だけでなく、卸や小売などの川下の取引にまで一貫して関わるバリューチェーンの構築が活発化しています。また、小売業や外食産業など生活産業分野へも、資本や人材、営業戦略面などで進出するなど領域を広げつつあります。今後もますます進むグローバル化とともに、商社はさらなるビジネスの創出と進化をとげていくことでしょう。

Topics2
都市再生事業

 2002年に決定した都市再生特別措置法により、環境、防災、国際化、少子高齢化などに対応した都市機能の高度化と居住地域の向上を目指す再開発が進んでいます。同年に第1次で東京、大阪、名古屋などの17地域が指定されたのを皮切りに、2013年6月までに63地区が都市再生特別地区に、65計画が民間都市再生事業計画として認定されており、順次開発が進められています。この都市再生事業は国の主導で行われていますが、民間の投資が不可欠とされており、デベロッパーや商社、鉄道事業者などが参入し、官民一体で再開発事業を推進しています。都市再生緊急整備地内では、2011年末時点において約18.6兆円の経済波及効果をもたらしています。さらに、今後10年間では約8兆円の建設投資が見込まれており、魅力的で国際競争力の高い都市作りは、まさに21世紀を担う事業の代表格です。

主な都市再生事業計画

都市 事業区域
東京 (仮称)東京駅八重洲口開発事業(千代田区、中央区)
(仮称)大手町地区第一次再開発事業(千代田区)
(仮称)東京ミッドタウンプロジェクト(港区)
新宿イーストサイドスクエア計画(新宿区)
横浜 みなとみらい50街区W地区開発プロジェクト(横浜市)
名古屋 (仮称)名駅四丁目7番地区共同ビル建設事業(名古屋市)
大阪 なんばパークス2期事業(大阪市)
(仮称)境第2区臨海部開発事業(堺市)
神戸 三宮駅前第1地区都市再生事業(神戸市)
福岡 新天神地下街建設事業(福岡市)

(内閣官房都市再生本部 資料より)

Topics3
電力・ガス小売自由化

 従来、日本の電力・ガス市場は民間企業の参入が認められておらず、一定の会社による市場独占が続いていました。このため、早くから自由化が進んでいた諸外国に比べ、市場の活性化が遅れていましたが、1995年から電力・ガスの自由化が開始され、その範囲は順次拡大されています。電力では2005年4月には小規模工場などすべての高圧電力需要家への小売自由化が実施され、本格的な小売自由化時代が始まりました。2013年4月には電力システムに関する改革方針が閣議決定され、2016年を目途に家庭などへの小売りが全面自由化されることになっています。都市ガスも、2014年2月の経済産業省の委員会で、都市ガスの家庭向け小売全面自由化の方針が固まりました。電力・ガスの小売自由化に伴い、ガス会社が電力に、電力会社がガスに、と双方向の参入や、商社、石油会社、エネルギー機器関連企業など新規業界からの参入も相次いでいます。活発化する市場では、料金の値下げなども激化していく一方で、サービスの多様化による新しいビジネスチャンスも生まれていくことでしょう。

商社・エネルギー・インフラのこれからを予測するKeyword キーワード
Keyword1
新エネルギー
日本における風力発電システム導入量の推移

 21世紀を担うエネルギーとして、環境に配慮した新エネルギーの開発が進められています。新エネルギーの1つには風力や太陽光・太陽熱、氷雪熱など「自然を利用したエネルギー」が挙げられます。これらは、従来のエネルギーと比べるとコスト高という課題もありますが、コスト削減と実用化に向けた研究により、年々発電量を増やしています。日本の太陽光発電は世界一の導入実績を誇っており、また、近年急速に普及しているのが風力発電です。さらに、もう1つの新エネルギーとして、今まで捨てていた木屑や廃材・廃棄物などを有効活用した「リサイクルエネルギー」の研究も進んでいます。2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故以降、原子力発電への不安から環境に優しく安全なエネルギーへの関心が一層高まっており、新エネルギーの開発・実用化は国家を挙げての取り組みとなっています。

Keyword2
進化する住宅

 近年「住宅の質」がより問われるようになっており、それにあわせた研究・開発が活発に行われています。東日本大震災の影響から、地震や液状化に耐えうる耐震住宅、防災住宅といった視点が注目を集めています。また、環境や省エネルギーに配慮した建材や設計も取り入れられるようになっています。オール電化住宅や、ITで家庭内のエネルギー需給を管理し最適にコントロールする「スマートハウス」などの普及も進んでいます。さらに、シックハウス病対策としてノンホルム建材を使用した住宅や高齢者・障害者が不自由なく暮らせるバリアフリー住宅など、住む人に配慮し、購入者一人ひとりのニーズにカスタマイズした住宅作りが行われています。「住宅は一生の買い物」と言われるだけに、付加価値が高く、長く住み続けられる住宅提供が求められており、それに伴う取り組みや技術開発は今後もさらに活発に行われていくと見られています。また、住宅を資産としてとらえていく傾向がより強まっています。顧客に対してトータル的な資産設計やライフプランのアドバイスをするファイナンシャルプランナーなども、住宅業界で活躍の範囲を広げていくことができるでしょう。

Keyword3
京都議定書 第二約束期間 〜ポスト京都議定書

 2005年2月に発効された京都議定書は、2012年で第一約束期間が終わりました。日本では海外からの排出権購入の効果などにより、温室効果ガス削減目標6%を達成できそうな見込みです。2013年以降は第二約束期間となりますが、日本などの数か国は「すべての国が参加しない京都議定書は公平性、実効性に問題を抱えている」という観点から、今回は不参加としています。しかし、不参加の各国も自主的な目標を掲げて温室効果ガス削減を進めていますし、2020年以降の新たな国際的枠組み発行に向けた話し合いも続いており、これからも地球温暖化防止に向けた動きは全世界で進んでいきます。第二約束期間には不参加とはいえ、世界的な規模で取引をする商社や、エネルギー業界としては、これからも目を離せないでしょう。


このページのトップへ